世相・風俗
朝日新聞出版

地図が読めないの私だ 乗り越えるための処方箋

初出:AERA2017年2月20日号
WEB新書発売:2017年2月23日
AERA

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 街で迷う地図弱者。地図が読めないの私だ――。「どうしてわからないの?」。地図強者たちの視線は冷たい。そこには深い断絶がある。そもそも、なぜ地図を持っていても迷うのか。方向音痴に悩む人向けセミナーの開催者や大学教授らに話を聞き、処方箋を探った。そのほか、国土地理院の空撮調査ルポや、「ポケモンGO」開発リーダーインタビューなど、地図にまつわる最前線を紹介する。

◇第1章 「地図が読めない」を乗り越える/街で迷う地図弱者の嘆き
◇第2章 現代の伊能忠敬を探してみた/地図ができるまで、国土地理院ルポ
◇第3章 地図でポケモンと遊ぶ/ポケモンGO開発リーダーの野村達雄さんが語る
◇第4章 日本から世界に発信オーサグラフ/歪みの小さい新世界地図
◇第5章 ゼンリンの人海戦術、雨の日も雪の日も…/1千人の調査員が作る地図
◇第6章 路線図アプリの決定版、世界でデータを収集中/路線のカーブや上下関係まで再現
◇第7章 「正縮尺」で見えてくる、鉄道線形の不思議/地図に落とせば歴史が見える


第1章 「地図が読めない」を乗り越える/街で迷う地図弱者の嘆き

 地図が読めないの私だ――。
 そんな悩みをわかってくれない孤独に沈む。
 迷いに男女の性別は関係ないらしい。
 煩悩を振り払う処方箋を探った。



 地図を読むのが苦手だ。
 移動距離「徒歩5分」を超えれば、道に迷うリスクは格段に上がる。30分余裕を持って出発し、プリントアウトした地図は縮尺を変えて3種類。地図アプリとGPSをオンにしてもダメ。気まぐれにワープする現在位置に翻弄されて諦めた。行きつ戻りつ、なかなか見えないランドマーク。時計を見れば約束間際、先方に電話してわび、道案内を請うこともある。目的地に到着するまで、焦りと不安でいっぱいだ。
 世の中に、地図を読める人と読めない人がいるなら、これが地図を読めない人――いわゆる「地図弱者」の日常だ。
 ルーズなわけじゃない。自分の居場所と手元の地図が、どうしても重ならない。多くの時間とお金、もしかすると信頼や評価まで失ってきた。2000年に発売された『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社)という本は累計284万5千部の大ベストセラーとなった。
 「どうしてわからないの?」
 地図強者たちの視線は冷たい。そこには深い断絶がある。



◎地図弱者の抱える闇
 はなまる総合研究所の杉下正行さんは、テニスイベントを主催するたび、こうした「地図弱者」の対応に苦慮してきた。「迷った」コールを何度も受け、道案内に貴重な時間を奪われてきたからだ。
 当初は「案内に地図も住所も載せているのに、迷うほうが悪い」と考えていた。だが、彼らの抱える闇に気づいた・・・

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この記事の続きは、WEB新書でお読みいただけます。

地図が読めないの私だ 乗り越えるための処方箋
216円(税込)
  • 著者編集部 熊澤志保、高橋有紀、野村昌二、福井洋平
  • 出版社朝日新聞出版
  • 出版媒体AERA

街で迷う地図弱者。地図が読めないの私だ――。「どうしてわからないの?」。地図強者たちの視線は冷たい。そこには深い断絶がある。そもそも、なぜ地図を持っていても迷うのか。方向音痴に悩む人向けセミナーの開催者や大学教授らに話を聞き、処方箋を探った。そのほか、国土地理院の空撮調査ルポや、「ポケモンGO」開発リーダーインタビューなど、地図にまつわる最前線を紹介する。(2017年2月20日号、10400字)

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