経済・雇用
朝日新聞出版

アップルに恩を売った孫正義 トランプ政権で勝つ企業の条件

初出:AERA2017年2月27日号
WEB新書発売:2017年3月9日
AERA

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「(孫正義氏は)アップルに助け舟を出し、恩を売る狙いがあったのではないでしょうか」。ソフトバンク社長室長を8年間務めた嶋聡氏は「トランプ・孫正義会談」をこう評した――。ドナルド・トランプ米大統領は意に沿わない企業をツイッターなどで厳しい言葉で恫喝してきた。グローバル企業は戦々恐々としている。トランプ政権で「勝てる」企業の条件は? さまざまな事例から探る。

◇第1章 トランプに負けない企業/重要なのは「貢献」と「アピール」
◇第2章 保護主義と自由貿易、狭間で揺れる米国/トランプの保護主義に打ち克つ
◇第3章 TPP後の交渉、農業は崖っぷち/厳しい日米二国間交渉、肉牛、豚、コメで要求激化も
◇第4章 アップルに恩を売った/元参謀が語るトランプ×孫正義、会談の「成果」


第1章 トランプに負けない企業/重要なのは「貢献」と「アピール」

 ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に就任して約1カ月。
 新大統領は意に沿わない企業をツイッターなどで厳しい言葉で恫喝してきた。
 グローバル企業は戦々恐々としている。トランプ政権で「勝てる」企業の条件とは――。



 「Breaking News!」
 ニューヨークのホテルでテレビをつけると、画面上にはひっきりなしに、目を疑うようなニュースが速報で飛び込んでくる。「中東など7カ国からの入国禁止」「メキシコ国境にグレートウォールを建設へ」「イスラム国(IS)殲滅計画」――。
 「まるで戦時中みたいだ」
 2月上旬、トランプ新大統領後の現状を知ろうと現地メディアや企業PR関係者へのヒアリングのために米国を訪れていた、コミュニケーション専門家の鶴野充茂さんは、普段の米国とは明らかに違う異様な雰囲気に、そう感じずにはいられなかった。
 対立姿勢をあらわにするメディアと、挑発するように過激発言を繰り返す大統領。現地メディアは、大統領や政権幹部のツイッターを24時間体制で「監視」している。米国民はショッキングなニュースに一日中さらされ、憂鬱な気分にさいなまれる「トランプ鬱」を訴える人さえ出ているという。
 鶴野さんは、コロンビア大大学院時代の友人に聞いてみた。
 「いったい、米国では今、何が起きているんだい?」
 友人は肩をすくめて答えた。
 「君のほうこそ、教えてくれよ」
 米国にいる自分たちすら、今何が起きているのか、理解できないのだから、と。
 意に沿わない人物やメディア、企業などを厳しい言葉で恫喝するトランプ大統領。ツイッターを通じ、ひとたび発言すれば、一瞬で2500万人ものフォロワーに伝わり、さらにリツイートされて、世界中に拡散される。
 企業が抱えるリスクは、フォードやトヨタ自動車のように、名指しで批判されることだけではない。思わぬところで反トランプ派と支持派の攻防に巻き込まれ、不買運動にまで発展するケースも多発している・・・

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アップルに恩を売った孫正義 トランプ政権で勝つ企業の条件
216円(税込)

「(孫正義氏は)アップルに助け舟を出し、恩を売る狙いがあったのではないでしょうか」。ソフトバンク社長室長を8年間務めた嶋聡氏は「トランプ・孫正義会談」をこう評した――。ドナルド・トランプ米大統領は意に沿わない企業をツイッターなどで厳しい言葉で恫喝してきた。グローバル企業は戦々恐々としている。トランプ政権で「勝てる」企業の条件は? さまざまな事例から探る。(2017年2月27日号、12600字)

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