経済・雇用
朝日新聞出版

みんな国鉄が好きだった 今も日本人の心に生きるJNRの記憶

2017年04月13日
(16700文字)
AERA

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解体から30年を経て、それでもなお根強い人気を誇る「国鉄」、JNR。なぜかくも懐かしく感じてしまうのだろうか。昭和天皇、宮脇俊三氏、国鉄色のレトロ列車が人気のいすみ鉄道、鉄子と呼ばれる鉄道好き女子から、民営化の知られざる舞台裏、発展する関連事業に至るまで、「国鉄」をめぐるディープな話題を深掘りしてみました。

◇第1章 今も日本人の心に国鉄は生きている/昭和天皇も鉄子もみんな国鉄が好き
◇第2章 国鉄の解体はリストラの原点/労働組合員は「選別」され、水面下で行われた「リスト」作り
◇第3章 鉄道がなくなる危機感があった/JR発足の立役者、JR東日本元会長・松田昌士さん〈81〉が語る国鉄改革
◇第4章 国鉄とJR 脱鉄ビジネスに発車オーライ/JR30年は日本の縮図
◇第5章 「電車の進化」に加速前進/国鉄からJRへ、電車の進化の樹形図


第1章 今も日本人の心に国鉄は生きている/昭和天皇も鉄子もみんな国鉄が好き


◎『テツの聖地』で鉄子に人気の国鉄色鉛筆/神保町の書泉グランデ
 古書の街、東京・神保町。老舗書店「書泉グランデ」は、知る人ぞ知る鉄道の聖地だ。6階鉄道フロアは、雑誌も新刊も漫画も鉄道にかかわるものだけ。
 「駅そばの情報とか普通列車の編成表とか、かゆいところにも手が届く。情報収集だけでなく、いると落ち着く神聖な場所」
 常連の沼田勇作さん(36)はそう言う。同店フロアリーダーの広瀬祐理さん(40)に、おすすめの「国鉄を感じる本」を教えてもらった。「鉄分」入門編は、1978年初版の絵本『でんしゃがはしる』(福音館書店)の復刻版だ。
 「この絵本で鉄道入りした世代に売れまくっています。黄緑色の103系が山手線を一周する姿が懐かしいのでしょう」
 国鉄職員の働く姿を写した写真集『国鉄「東京機関区」に生きた 1965〜1986』(えにし書房)は、当時の息づかいが伝わる。
 「こんな線路脇で『小さな焚火をたいてよもやま話』って。こういう時代があって今に至るんだなと思いますね」
 鉄道紀行作家、宮脇俊三(1926〜2003)の『時刻表2万キロ』は、すでに廃止された国鉄路線の話が登場する。
 「他の書店員さんに、『宮脇さんはマストですよねえ』ってつぶやいたら、誰ですかって。逆に驚いちゃって。ここでは芥川や太宰と同列の方なんですけど」
 客層は40〜50代の男性が8割。ひと昔前に比べ時刻表の売れ行きは下がっているが、
 「お客様は好きなものにはとことんお金を注ぐけど、必要ないものにはお金は使わない。それが顕著に出ています・・・

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みんな国鉄が好きだった 今も日本人の心に生きるJNRの記憶
216円(税込)
  • 著者編集部・塩見圭、熊澤志保、福井洋平、野村昌二/朝日新聞記者・岩田智博、土屋亮、角田要
  • 出版社朝日新聞出版
  • 出版媒体AERA

解体から30年を経て、それでもなお根強い人気を誇る「国鉄」、JNR。なぜかくも懐かしく感じてしまうのだろうか。昭和天皇、宮脇俊三氏、国鉄色のレトロ列車が人気のいすみ鉄道、鉄子と呼ばれる鉄道好き女子から、民営化の知られざる舞台裏、発展する関連事業に至るまで、「国鉄」をめぐるディープな話題を深掘りしてみました。(2017年4月10日号、16700字)

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