経済・雇用
朝日新聞出版

東芝社長の赤い絨毯 社員とOBの愛と憎しみ

2017年04月20日
(17400文字)
AERA

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就任直後の社長が事業所に来た日に敷かれた、専用の真っ赤な絨毯(じゅうたん)。あれが何かの始まりだったのか――。経団連トップを二度も輩出した名門企業・東芝。沈まぬはずの「電機の巨艦」が、1兆円超の巨額損失の渦にのみ込まれようとしている。原因は原発事業の失敗。世界に冠たる名門企業で一体何が起こったのか。社員や関係者は、何を見て、どう感じていたのか。総力取材した。

◇第1章 社員とOBの愛と憎しみ/東芝を支えた人々の証言
◇第2章 男の嫉妬は陰にこもる/東芝崩壊を招いた『ダメ社長』たち(朝日新聞編集委員 安井孝之)
◇第3章 ノモンハン事件と類似/東芝と日本軍に共通する「失敗の本質」


第1章 社員とOBの愛と憎しみ/東芝を支えた人々の証言

 知人友人に尋ねるのは当然のこと、東芝社員が集まるスナックがあると聞けば足を運び、社員寮を見つければ手紙を投函した。東芝凋落の潮目を、現場はどう感じているのか。証言を拾うことで、企業ガバナンスの教訓が得られると考えた。
 メディアの取材攻勢により、東芝社内では取材に応じないよう社員に指示が出ていることは複数から耳にした。AERAが取材した社員や関係者は問題意識を持ちながらも、東芝に対してある種の誠実さを貫いているように見えた。
 世界ナンバー1シェアを誇った「ダイナブック」を生んだ青梅事業所が3月、閉鎖した。かつての活況を元幹部にどうしても聞きたかった。取材に応じてもらうには、誠意を見せるしかない。足を運んでいることを証明するため、郵送ではなく、2日続けて手書きの手紙を投函した。3日目に非通知で電話があった。
 「まだ頑張っている仲間がいる。東芝を悪く言いたくない」
 経営幹部の暴走により始まった東芝の凋落。リストラやボーナスカットなど、そのしわ寄せは現場が受けている。愚痴の一つでも言いたくないのか。
 現役社員ならまだしも、OB・OGや東芝が2015〜16年に行ったリストラですでに退社した社員まで口は堅かった。
 事業の売却や工場閉鎖などに伴い、東芝では今後もリストラが数万人規模で進むとも考えられる。電機・情報ユニオン書記長の森英一さんは言う。
 「リストラなどがあっても、富士通と日立に比べ、東芝の従業員からの相談数は圧倒的に少ない。社風なのか、口をつぐんでいる印象です・・・

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東芝社長の赤い絨毯 社員とOBの愛と憎しみ
216円(税込)
  • 著者編集部 小野ヒデコ・熊澤志保・作田裕史・澤田晃宏・山口亮子・石臥薫子、朝日新聞編集委員 安井孝之
  • 出版社朝日新聞出版
  • 出版媒体AERA

就任直後の社長が事業所に来た日に敷かれた、専用の真っ赤な絨毯(じゅうたん)。あれが何かの始まりだったのか――。経団連トップを二度も輩出した名門企業・東芝。沈まぬはずの「電機の巨艦」が、1兆円超の巨額損失の渦にのみ込まれようとしている。原因は原発事業の失敗。世界に冠たる名門企業で一体何が起こったのか。社員や関係者は、何を見て、どう感じていたのか。総力取材した。(2017年4月17日号、17400字)

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