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朝日新聞出版

あなたの身近な炎上人 感情決壊はなぜ起きるのか?

初出:AERA2017年9月11日号
WEB新書発売:2017年9月21日
AERA

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「炎上」という言葉がこれほどまでに一般化したのは、いつの頃からだろうか。人間関係にトラブルはつきものだが、ネットの普及で、発言のミスや、思惑のすれ違い、個人や集団間のいさかいがあっという間に世界中に広がり、収集がつかなることが多くなった。それを見る方も、SNS上で怒りを増幅させる。怒りが怒りを呼ぶ、悪循環をストップする方法はあるのか。会社、社会、ネット、ご近所、政治、家庭……などなど、さまざまな場面で起こる「感情決壊」を防ぐ方法を考えてみた。

◇第1章 炎上人の感情決壊/怒りたくないのに止められない
◇第2章 言葉はもういらない/「触感」「表情」「bot」が感情決壊を防ぐ
◇第3章 家庭の怒りは「人間宣言」/ゴールが見えないからあふれだす
◇第4章 楽しく燃やそう、怒活のススメ/うまく使えばパワーにできる


第1章 炎上人の感情決壊/怒りたくないのに止められない

 また、部下が1人辞めていった。会って話せば、そこまでこじれることもなかったのに。
 都内の会社員男性(41)は、そうため息をつく。部下が続々辞めていく引き金は、大口のクライアントとの間で往復される電子メールだ。
 繁忙期になると、クライアントからは進捗確認のメールが入り、チーム全員のメーリングリストで共有される。そのたび電話をされても対応に困るから、メール自体はありがたいが、先方も焦っているのか、文面がしばしばぶっきらぼうになる。
〈あの案件、どうなっているんですか?〉
 相手の表情は読み取れないが、あまりに短い文はまるで「こちらの落ち度」と責めるようだ。クライアントの都合で唐突に振ってきた案件だし、無理を押して進行している。案件を担当する若い部下に、男性は助言した。
 「少し待とうか」
 すぐに返信せず、時間をあけてクールダウンして、という意図だ。だが、その直後、全メンバーへ部下からの返信が届いた。
〈つい先日聞いた話です。スケジュールに無理があります〉
 気持ちはわかる。だが、発注者と受注者の関係上、時に理不尽もある。男性には覚えがあった。メール上で口答えすれば、さらなる攻撃の矢面に立たされる。案の定、先方のグループから矢継ぎ早にメールが来た。
〈案件Bはどうなっていますか?〉〈納期は大丈夫ですか?〉〈報告に誤字がありました・・・

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あなたの身近な炎上人 感情決壊はなぜ起きるのか?
216円(税込)

「炎上」という言葉がこれほどまでに一般化したのは、いつの頃からだろうか。人間関係にトラブルはつきものだが、ネットの普及で、発言のミスや、思惑のすれ違い、個人や集団間のいさかいがあっという間に世界中に広がり、収集がつかなることが多くなった。それを見る方も、SNS上で怒りを増幅させる。怒りが怒りを呼ぶ、悪循環をストップする方法はあるのか。会社、社会、ネット、ご近所、政治、家庭……などなど、さまざまな場面で起こる「感情決壊」を防ぐ方法を考えてみた。(2017年9月11日号、20200字)

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