社会・メディア
朝日新聞出版

お宝万歳!モノにあふれた物欲の世界 断捨離よさようなら

初出:AERA2017年9月25日号
WEB新書発売:2017年10月12日
AERA

このエントリーをはてなブックマークに追加

 「1億円拾った大貫さんの孫です」。1980年に東京・銀座で1億円を拾って有名になった大貫久男さん。その孫は現在、売り出し中の芸人だ。「1億円の大貫さん」は今でもよく知られていて、「孫です」とあいさつすると受けがいい。ネットオークションで思わぬガラクタに高値がつく時代。アジアの経済成長で、日本のアニメやフィギュア、漫画などが高く売れる。「断捨離」などという言葉もあるが、モノにあふれた世界には禁断の魅力がある。森永卓郎、石坂浩二、田中真紀子さんら著名人に「宝物」を聞いたほか、全国各地に残る埋蔵金伝説なども追った。

◇第1章 私のガラクタ、あなたのお宝/中国人とメルカリで日本の価値を見いだす
◇第2章 カーペットの下から現金300万円 フリマアプリで高値がつく
◇第3章 地中に眠る『埋蔵金』を探せ/でも、発見はまだゼロ……です
◇第4章 これが私の宝物/一期一会でめぐりあえたお宝の価値はプライスレス


第1章 私のガラクタ、あなたのお宝/中国人とメルカリで日本の価値を見いだす

 「断捨離」と言われても、なかなかモノが捨てられない。
 だが、インターネットのおかげで、実家の片づけや引っ越しで出るガラクタにも値がつく時代に。
 タンスの中は、宝の山だ。

 8月下旬の午後、サブカルの総本山「まんだらけ」(東京都中野区)で声優のブロマイドやパンフレット、マフラータオルなどのグッズを中腰になって真剣にのぞき込んでいる男性2人がいた。台湾の大学生、謝承儒(シエチェンルー)さん(19)と、陳信安(チェンシンアン)さん(20)。ともに日本のアニメや声優が大好きだという。謝さんは声を弾ませ、興奮が抑えきれない様子で話す。
 「一番好きなアニメは『この美術部には問題がある!』。今日は写真集や声優のファングッズ、フィギュアを買うつもり」

◎中国人が熱狂する日本
 2人は旅行費用を抑えるためにユースホステルに泊まっているというが、「ここ(まんだらけ)には面白いものがたくさんある」と聞いてやってきた。予算は1万〜2万円。記者の質問が終わると、2人は眼鏡の奥の目を輝かせながら、お宝の海へと分け入っていった。
 まんだらけの副社長、辻中雄二郎さん(46)によれば、中国や台湾からのお客をよく見るようになったのはここ2、3年。
 「人気は1970〜80年代に日本で流行ったマジンガーZなどロボットのおもちゃ。同人誌や漫画もよく買っていかれます」
 最近、中国人が「爆買い」しているのが、ジブリの宮崎駿氏やドラゴンボールの鳥山明氏、ガンダムの生みの親のひとり安彦良和氏といった日本のアニメーターや漫画家が描いたとされる原画や直筆の原稿だ。同社のネットオークションで買えるが、これまでの最高支払金額は、1回のオークションでトータル5千万円。50歳くらいの中国人が高額商品を複数落札したという。
 「子どもの時に見たものに価値を見いだしているのだと思います・・・

購入する

この記事の続きは、WEB新書でお読みいただけます。

お宝万歳!モノにあふれた物欲の世界 断捨離よさようなら
108円(税込)
  • 著者編集部・野村昌二、山口亮子、小野ヒデコ/朝日新聞出版・福井洋平/朝日新聞政治部・藤田直央
  • 出版社朝日新聞出版
  • 出版媒体AERA

「1億円拾った大貫さんの孫です」。1980年に東京・銀座で1億円を拾って有名になった大貫久男さん。その孫は現在、売り出し中の芸人だ。「1億円の大貫さん」は今でもよく知られていて、「孫です」とあいさつすると受けがいい。ネットオークションで思わぬガラクタに高値がつく時代。アジアの経済成長で、日本のアニメやフィギュア、漫画などが高く売れる。「断捨離」などという言葉もあるが、モノにあふれた世界には禁断の魅力がある。森永卓郎、石坂浩二、田中真紀子さんら著名人に「宝物」を聞いたほか、全国各地に残る埋蔵金伝説なども追った。(2017年9月25日号、14600字)

    スマートフォン、タブレットでも読めます。

    Facebookでのコメント

    このページのトップに戻る