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朝日新聞出版

占いリバイバル 「選択疲れ」が呼び込む再魔術化の時代

初出:AERA2017年10月2日号
WEB新書発売:2017年10月19日
AERA

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いまや雑誌連載や毎朝のテレビ番組でも見かける「占い」。コンテンツとして世の中に浸透する一方で、「非科学的」と眉をひそめる人も多い。だが、個人の選択肢が増えすぎ、経験則が必ずしも通用しない現在、「信じる」「信じない」ではない「占い」とのつきあい方があるという――。社会学者、マックス・ウェーバーは近代を「脱魔術化」の時代と呼んだが、選択肢の多さに疲れ果てた人々は、再び「魔術」のような非合理的な指針にすがりたくなっている。それが「占い」のブームだ、との見方もある。金融占星術から沖縄の「ユタ」まで、「占い」という鏡から現代を眺めてみた。

◇第1章 占いを情報として役立てる/金融占星術からエンタメまで、不確実の時代の占いとは
◇第2章 ユーザーを肯定する娯楽/占いコンテンツはマーケティングの最前列
◇第3章 思いを話せば物語になる/人は何を求めて占いをするのか
◇第4章 医者が半分、ユタも半分/沖縄社会に根付く癒やしのスピリチュアル文化


第1章 占いを情報として役立てる/金融占星術からエンタメまで、不確実の時代の占いとは

 2017年8月末発表の月例経済報告では、戦後2番目の景気拡大になる見込みという。だが、賃金も物価も上がらず、実感がない。
 「現在の日銀の金融政策の原点ともいえる量的緩和は、金融占星術でみると、2001年3月、金星逆行と同時に開始されたものでした。現在まで、景気回復という目標に関して、効果が得られていません。つまり、本質的に誤った金融政策だった可能性があります」
 金融コンサルティング会社アセンダント取締役の山中康司さんはこう言う。
 金融占星術? 何をばかな! 星占いと金融に、何の因果関係があるというのか。そう言いたい人は多いだろう。山中さん自身がそうだった。バンク・オブ・アメリカの為替ディーラーだった1987年、同じ会社に占星術でマーケット動向を予測するディーラーがいると知り、笑い飛ばした。
 天体配置で相場が決まる? ふざけるな! ディーラーなら、金融政策や貿易収支、マネーサプライで判断すべきだろう。

◎当たるなら何でも使う
 だが、あるとき気づいた。結構当たっているのでは? 自分より読みがいいのでは?
 「相場関係の人間は、天気予報でも靴飛ばしでも『当たるなら何でも使う』という頭の切り替えは速い。数年後、時間的余裕ができたので、占星術を学びだしたんです・・・

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占いリバイバル 「選択疲れ」が呼び込む再魔術化の時代
216円(税込)

いまや雑誌連載や毎朝のテレビ番組でも見かける「占い」。コンテンツとして世の中に浸透する一方で、「非科学的」と眉をひそめる人も多い。だが、個人の選択肢が増えすぎ、経験則が必ずしも通用しない現在、「信じる」「信じない」ではない「占い」とのつきあい方があるという――。社会学者、マックス・ウェーバーは近代を「脱魔術化」の時代と呼んだが、選択肢の多さに疲れ果てた人々は、再び「魔術」のような非合理的な指針にすがりたくなっている。それが「占い」のブームだ、との見方もある。金融占星術から沖縄の「ユタ」まで、「占い」という鏡から現代を眺めてみた。(2017年10月2日号、13900字)

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