【お知らせ】WEB新書は閉店しました。

社会・メディア
朝日新聞出版

ビッグデータの恐怖 機械による選別と監視の時代を生きる

初出:2017年12月11日号
WEB新書発売:2017年12月21日
AERA

このエントリーをはてなブックマークに追加

認証と監視のテクノロジーの発達によって、個人に関する膨大なデータがネットを通じて蓄積され、活用されるようになった。ビッグデータが人間の信用や適性を判断し、選別する「スコアリングシステム」や、データをもとに万引き常習犯を識別する「バイオメトリクス(顔認証)」を使った監視カメラシステム等が、急速に社会に浸透している。しかし、こうした便利さと引き換えに私たちは何かを失いつつあるのではないだろうか。ビッグデータがもたらした不安定な現実を活写するレポート。

◇第1章 あなたの価値が点数化される/人間社会を定量化し始めたビッグデータ
◇第2章 インフラが停止、復旧は数年にも/電磁パルス攻撃の正体と防御法
◇第3章 あなたとお金が消えていく/迫る超監視社会とサイバー攻撃


第1章 あなたの価値が点数化される/人間社会を定量化し始めたビッグデータ

 金持ち風、渋い男、大器晩成型……。世間には何かと人物評が飛び交うが、これ全部「数字」になって分かっちゃうかも。『ビッグデータ』は人間まで数値化し始めた。

 年収1千万円のある会社員の男性(40歳・東京都内在住)は924点、年収550万円のあるフリーライターの女性(36歳・都内在住)は672点。これは彼らの「信用力」と「可能性」の点数だ。
 採点したのは人ではない。AIが個人向け融資の審査を行う日本初の「AIスコア・レンディング」サービス(=図参照)のアルゴリズム(計算方法)だ。開発したのはみずほ銀行とソフトバンクが共同出資して設立した「J.Score(ジェイスコア)」。契約内容は出たスコアによって決まる仕組みで、冒頭の男性は貸付利率2・9%で契約限度額は330万円だったのに対し、女性は10・2%で120万円と、かなりの差があった。

◎高スコアなら金利優遇
 スコアは最終学歴や勤務形態、前年の収入などの基本的な18項目に回答することで算出されるが、他にもみずほ銀行の口座履歴やソフトバンクの携帯電話料金の支払い履歴とも連携。普段の生活や自分の性格について約150もの質問があり、その回答結果も反映する。
 「データを提供してくださるほどスコアの判別精度が上がり、より有利な条件でお借り入れしていただける可能性があるのが特徴です・・・

このページのトップに戻る