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朝日新聞出版

成功企業が祀る神さま 日本人と神さまの最前線

初出:2018年1月15日号
WEB新書発売:2018年1月25日
AERA

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富岡八幡宮の事件に世は騒然となったが、多くの神社は金満や争いとは無縁の世界。年初に神社に詣で、よい年を祈願する経営者やビジネスパーソンは少なくない。企業と神さまの最前線を探ると、現代の日本人の「神さま」との距離感が見えてくる――。全国各地の「出世神社」の紹介や、出雲大社に探る昔ながらの神道の姿など、周辺情報もまじえて探る「日本人と神さま」のいま。

◇第1章 成功企業が祀る神さま/企業と神さまの最前線
◇第2章 バグ封じで神頼み/最先端技術は“神の領域”だから
◇第3章 願いがかなわなくても、神仏恨まない優しい日本人/サラリーマンの神頼み、今どきの事情
◇第4章 神さまの姿が見えないからこそ/神さまと日本人の関係、ゆるやかで強い絆で結ばれて
◇第5章 運をもらってあやかりたい/立身出世の陰に神社あり


第1章 成功企業が祀る神さま/企業と神さまの最前線

 東京・銀座の「金剛組」東京本店。大都会の真ん中のオフィスビルで突然、時空を超越したような光景に遭遇した。
 「聖徳太子様に礼拝合掌いたします」
 朝礼の冒頭。進行役の社員が厳かな口調でこう宣言すると、フロア内はピンと張り詰めた空気に包まれた。同社の刀根健一社長が慣れた手つきで、聖徳太子像が祀られた御厨子のろうそくに火を灯し、線香を立てた。
 「それでは」。神妙な面持ちの社長がそう告げるや、中央壁際に設置された御厨子に向かって全社員が一斉に頭を下げ、手を合わせた。約30秒間の拝礼を終えたスーツ姿の社員の背中からは、邪気が払われたようなすがすがしさが漂う。

◎神仏おそれ善人であれ
 本店長席の近くに「幹部十七条憲法」が掲示されている。聖徳太子が定めた十七条憲法に同社独自の解釈を加えた幹部社員向けの訓戒だ。第二条にはこう記されている。
 「人は、元々弱いものであり神仏によらなければならない」
 神仏のおそれを知り善人であることに努めよ、という意味だ・・・

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