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経済・雇用
朝日新聞出版

職場の分断地図 非正規と正規の埋まらない溝

初出:2018年2月26日
WEB新書発売:2018年3月8日
AERA

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正社員、契約社員に派遣社員、嘱託、パートにアルバイト。雇用形態によって職場が分断され、アラフォー世代を中心に、非正社員が悲鳴をあげている。「働き方改革」が叫ばれる一方で、どんどん居心地が悪くなる職場の現状のレポート。

◇第1章 職場の分断が止まらない/正社員と非正社員の間の壁
◇第2章 「階級社会」化がはじまっている/業務内容が同じでも待遇差のなぜ
◇第3章 理研「雇い止め」365人/改正労働契約法の「抜け道」が生んだ悲劇
◇第4章 強い会社よりもいい会社になる/「人手不足の時代」働き手を奪い合い


第1章 職場の分断が止まらない/正社員と非正社員の間の壁

 出口が見えない。職場から自宅まで電車で1時間、帰りの車内で毎日のように涙があふれた。
 「これから、どうしたらいいんだろう」
 当時32歳。週5日フルタイムで百貨店の事務パートとして働いて4年。900円足らずでスタートした時給は年に10円しか上がらず、手取りの給与が10万円を切る月もあった。実家を出たいが、この収入で一人暮らしはできない。昼食は、持参したおにぎりやパン屋でもらったパンの耳で済ませた。
 同世代の友人や親戚はすでに結婚して家庭を持ったり、それなりの働き方をしたりしている。自分は恋人もおらず独身、パートで低収入。実家でも肩身が狭かった。

◎困窮するアラフォー世代
 仕事自体は楽しかったが、疑問があった。職場で経験を積み、仕事の範囲は広がっていた。事務、販売、レジ、複雑なデータ管理もすべて覚えた。業務内容だけみれば、実は総合職の正社員と同じだ。
 けれども、事務パートは非正規職の中でも最下層の扱いで、給与は最も低く、仕事を評価される機会は乏しかった。職場は女性が多く華やかで、ほかのパートは既婚者女性ばかり。
 残業代がほかのパートにはついているのに自分にはないと知り、訴え出ると、上司との関係がぎくしゃくした・・・

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