◆終わりなき「放射能不安」地獄
◆放射能から身を守れ!
・梅雨の雨はなぜ危ない?
・雨が降っても水道水は大丈夫?
・セシウムは森で循環する
・クールビズは大丈夫なのか
・屋外プールで泳いでいいの?
・海水浴は砂遊びも要注意
・梅雨期は関東へ風が
◆「南足柄」発、日本茶農家の危機
放射能のバラマキは一向に収まる気配がない。メルトダウン、放射能汚染水の漏出……。政府や東電は依然、情報の「後出しジャンケン」を続けている。その間、被曝の不安だけが高まる。もう大本営発表だけに頼っていられない。自分で身を守る方策があるはずだ。
ある官邸関係者が声を潜めて言う。
「彼らの再来日にあたって、今度はどんなデータが公開されるのか、受け入れる側の菅政権は相当神経質になっています」
その「招かれざる客」とは、国際原子力機関(IAEA)調査団のことだ。調査団20人は5月24日から6月2日の間、福島第一原発事故の経緯を調べるため、原発内にあったカメラの映像解析や、政府への聞き取りをすることになっている。
実は、IAEA調査団は震災1週間後の3月18日にも来日し、1カ月以上にわたって福島原発周辺の土壌で放射性物質(ヨウ素131とセシウム137)の量を独自調査した。その結果、避難地域に当時、指定されていなかった飯舘村などでIAEAの定める避難指示基準の2倍に当たる高濃度放射性物質を検出し、そのデータを公開。さらに、3月末には、政府に避難地域の見直しを勧告した。
枝野幸男官房長官はIAEAの勧告直後、「現状はそうした状況ではない」と突っぱねたが、世界の報道機関がこの調査データを報道し、「日本は被曝(ひばく)データを隠している」と、国際社会からバッシングされた経緯もある。結局、政府は4月11日、勧告を受け入れる形で、飯舘村を含む5市町村を計画的避難区域に指定した。
官邸関係者がこう明かす。
「IAEAは勧告前の3月25日に外務省内で調査の報告会を開き、日本側は外務、文科、内閣府、原子力安全・保安院から計10人が出席しました。ところが、レクが英語だったうえ、専門用語が飛び交ったため出席した官僚らは内容をほとんど理解できず、官邸に詳しい情報を上げられなかったというお粗末さでした」
4月19日にもIAEAは日本政府に対する2回目の報告会を開いた。ところが、官邸・官僚側のだれかが意図的にIAEAの動きを『無視』しようとした形跡さえある。
「報告会の開催情報は外務省から官邸に連絡がなかった。事前に原子力安全・保安院側から『官邸から専門家が出なくていいのか』と問い合わせがあり、内閣官房参与の小佐古敏荘氏(東大大学院教授)が慌てて出席することになりました」(内閣官房関係者)
小佐古氏は菅政権の原発対応を批判し、4月末の辞任会見でこう述べている。
「官邸、外務省などはIAEAとの連携の重要性に気付かず、機能不全ともいえる状態だ」
外務省は本誌の取材に、
「(IAEAの情報は)官邸を含む政府関係者と共有されていた」
と反論するが、政府の対応が後手後手になったことは周知の事実だ。そして今回、この「招かれざる客」は、6月下旬にウィーンで開かれるIAEA閣僚級会議で、福島原発事故の報告書を公表する予定になっている。
「『東電、政府のミスが次々と暴露され、ボロクソに断罪されたら、政権がもたない』と菅首相らは心配しています」(民主党幹部)
そう心配するのも当然だ。なぜなら、菅政権は「放射能汚染状況」をリアルタイムに把握しているからだ。
震災発生から10時間26分後の3月12日午前1時12分、官邸のファクスが音をたてた。放射能の拡散範囲が原発から40キロ離れた飯舘村まで及ぶことなどを予測したSPEEDIのデータだった。だが、菅政権はそのデータを公表せず、その日早朝に出した避難指示の範囲も、10キロ圏内にとどまった。
以降も、菅政権や東電の情報開示は遅い。なぜか。
官邸関係者は言う。
「菅さんにはトラウマがあるんです・・・
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放射能のバラマキは一向に収まる気配がない。メルトダウン、放射能汚染水の漏出……。政府や東電は依然、情報の「後出しジャンケン」を続けている。その間、被曝の不安だけが高まる。もう大本営発表だけに頼っていられない。自分で身を守る方策があるはずだ。[掲載]週刊朝日(2011年6月3日号、12300字)
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