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文化・芸能
朝日新聞出版

冲方丁から三谷幸喜まで「2012歴史・時代小説ベスト10」

初出:2012年12月28日号
WEB新書発売:2012年12月27日
週刊朝日

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 書店員、文芸評論家などのアンケートに基づく週刊朝日「2012歴史・時代小説ベスト10」です。1位には冲方丁さんの『光圀伝』が選ばれ、劇作家三谷幸喜さんや現代小説で人気のあさのあつこさんもランクインしています。『光圀伝』を振り返る冲方丁さんの受賞記念インタビューとともに、縄田一男さんと松井今朝子さんの対談「変わりゆく歴史時代小説」で元気な時代小説の1年を振り返ります。

◇第1位 光圀伝
◇第2位 日御子
◇第3位 海賊とよばれた男
◇第4位 等伯
◇第5位 花宴
◇第6位 平蔵の首
◇第7位 清須会議
◇第8位 剣と紅
◇第9位 赤猫異聞
◇第10位 国を蹴った男
◇受賞インタビュー/冲方丁
◇変わりゆく歴史時代小説 


 本読みのプロたちが選んだ今年のランキングには、例年になく多彩な作品が入りました。その中で今年の1位に輝いたのは冲方丁さんの『光圀伝』です。ランクインした本の紹介や時代小説に造詣が深い2人による対談とあわせて、本選びにご活用ください。




◎ベスト10選出方法と総評
 歴史・時代小説ベスト10は、書店員、文芸評論家、書評家、コラムニスト、新聞や雑誌の書評担当者、編集者ら『本読みのプロ』を対象にアンケート形式で実施した。2012年(11年11月〜12年10月の刊行が対象)の歴史・時代小説の中から、3作を推してもらい、順位をつけた。


 第1位の『光圀伝』を著した冲方丁は、前々回のベスト10で『天地明察』が第3位に入って以来のランクイン。自身2作目の歴史小説でトップに輝いた。
 第2位の『日御子』を上梓した帚木蓬生は、09年のベスト10で『水神』が第3位になって以来3年ぶりの入選。第3位の『海賊とよばれた男』の著者、百田尚樹は、前々回のベスト10で『影法師』が第9位となって以来2年ぶりのランキング入りとなった。
 安部龍太郎、浅田次郎、伊東潤ら実力者が入った一方、現代語口調の文体で初の歴史小説に挑んだ劇作家の三谷幸喜が票を集めるなど、例年になく多彩な作品が並んだ。
 今年は三谷や冲方のほか、あさのあつこ、逢坂剛ら別のジャンルから進出した作家たちの活躍が目立ったのが特徴だ。




◎2012年歴史・時代小説ベスト10

第1位
光圀伝

■冲方丁/角川書店


 水戸徳川家の三男・光圀。本来は兄の頼重が選ばれるはずの世子となる。父への反発と兄への複雑な気持ち。傾奇者として江戸で暴れる光圀であったが、宮本武蔵、保科正之ら才人たちに触れる中で、「義」をもって生きるようになる。文治という新しい理想を掲げ、『大日本史』編纂という大事業を始めた、光圀の生涯を鮮烈に描く。

 「文の頂に立つ志を掲げ、その道を邁進する様が雄々しく心が揺り動かされる」(正文館書店本店・鶴田真さん)
 「さまざまな愛すべき人物と出会い、近しくなった人との別れが、光圀の人間としての深みを増していく。戦もなくチャンバラもないのに、読んでいて身が熱くなる・・・

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