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朝日新聞出版

欠陥マンションとの闘い方 売り主の瑕疵担保責任を問い、資産を守る

初出:2014年6月27日号
WEB新書発売:2014年6月27日
週刊朝日

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 マンションの共有部分調査で、「構造スリット未施工とコア抜きの問題は3件に1件程度の割合で見つかる」と住宅診断会社が明かす。億ションであれ、手頃なマンションであれ、重大な事故や耐震性につながる施工ミスが発覚すれば「欠陥マンション」だ。補修工事で済むのか、立て替えるのか。そもそも売り主は欠陥を認めるだろうか。どうすれば住民の資産を守れるのか?――分譲会社や施工会社の「瑕疵担保責任」を問い、管理組合を有利に導く欠陥マンションとの闘い方を、身近な実例を示しながら伝授する。

◇闘い10年、第三者の協力必要
◇不具合の情報は組合で共有する
◇引き渡しからの期間で変わる費用負担


闘い10年、第三者の協力必要


 「このマンションにすでに10年も住み続けています。横浜が好きで、ここの環境がいいから住んでいるのに、いまさらほかで生活するのは難しい。子どもの転校も考えなければいけないし、生活基盤はどうなるのだろうと心配です」
 2003年に販売された横浜市西区の「パークスクエア三ツ沢公園」(6棟、約260戸)の住民の一人が不安げに話す。
 このマンションの建物を支える杭が規定に反して強固な地盤に達しておらず、建物が傾いており、沈下する可能性があるとして、分譲会社の住友不動産が住民に仮住居への転居を要請していたことが6月に明らかとなった。
 ただし、分譲した住友不動産も、施工した熊谷組も、すぐに欠陥を認めたわけではない。住民は分譲直後から、棟と棟とのつなぎ目にズレがあることを指摘してきたが、売り主側は「地震などの衝撃を吸収した結果であり、問題はない」などと繰り返してきた。このため住民は専門家に調査を依頼。同時に古地図と設計図を照らし合わせるなど地道な取り組みをしながら交渉を続けた。そして今年3月、売り主側は住民の要請に応じてボーリング調査を実施し、 「施工不良」を認めざるを得なくなったのだ。
 住民の闘いは、分譲から10年以上もかかった。補修工事になるのか、建て替えになるのか、現段階では未定だが、マンション管理組合の理事の一人はこの間の苦労をこう振り返る。
 「わたしたちのような素人集団が大企業を相手に闘うのは大変です。向こうは仕事だけど、こちらはあくまでボランティア。平日の夜や土日を使って相手と話し合いを続けました。調査会社など第三者の協力がなかったら乗り越えられませんでした……」
 これは決して他人事ではない。実は、目に見えるズレや傾斜などがなくても、耐震性などに重大な「危険性」が潜むマンションは多いという。11年の東日本大震災後、地震の被害が大きかったマンションを調べたところ、もともと耐震性に問題があった物件も多く見つかっている・・・

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