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医療・健康
朝日新聞出版

車椅子の旅にようこそ! 気持ち晴れ晴れ、介護ツアーに出かけよう

初出:2014年7月25日号
WEB新書発売:2014年7月31日
週刊朝日

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 クラシックコンサートを楽しむ1泊2日の国内旅行に出かけませんか。それとも真夏のロシアに6泊8日の遠出はいかが?――日ごろ車椅子や杖を必要とするから、自分ひとりでは食事も排泄もできないからと旅行をあきらめていた高齢者や要介護者らが、旅を通して再び自信を取り戻し、「挑戦しよう」という前向きな気持ちを抱くようになる……。楽しさ、喜びとともに症状が改善し、心身ともに若返るなどメリットが多いと医師もすすめる「バリアフリーツアー」。同行した記者が様々な驚きの実例を紹介し、課題を探る。

◇非日常体験でリフレッシュ効果
◇まずは国内から、いつかはハワイ
◇ツアー代金は2割程度高め


非日常体験でリフレッシュ効果

 「介護が必要な人や四肢が不自由な人にとって旅行はメリットが多く、患者さんにも勧めています」
 と話すのは、高齢者や障害者の旅行に詳しい三軒茶屋リハビリテーションクリニックの長谷川幹院長だ。
 「日常の外出もおっくうになるのだから、旅行は相当ハードルが高い。だからこそ、それができるようになると大きな自信につながります」
 長谷川医師によると、普段なら躊躇することでも、旅先では「せっかく来たのだから」と意欲がわき、能力を発揮しやすい。できたことが自信につながり、日常生活においても「挑戦しよう」とする前向きな気持ちが生まれてくるという。
 こうした効果は旅行に出る前から表れる。旅という目標が生まれることで、「それまでにもう少し長く歩けるようになりたい」などといったその人なりの目標が生まれ、リハビリにも熱が入るのだ。加えて、非日常を体験する精神的なリフレッシュ効果も期待できる。長谷川医師の患者の中にも、顕著なリハビリ効果が表れているという。
 「パーキンソン病で食事や排泄、立ち座りも一人ではできなかった80代の女性が、旅行に行くようになってから自分で食事ができるようになりました。また、以前は聞き取りにくいささやき声しか出せなかったのに、旅行の後は電話で話ができるように」
 家と病院を往復するだけの毎日だった高齢者が、旅を通してツアー仲間と親しくなり、旅の後も食事会を企画するなど外出や交流を楽しむようになった例も多いという。
 「特に女性は化粧やマニキュアなどおしゃれを楽しむようにもなり、心身ともに若返る印象がある」
 近年は、体力に自信のない高齢者や車いすの人でも参加できるツアー商品も登場している。1998年から車いすや杖の人を対象にした専門のツアーを販売している旅行会社のクラブツーリズムでは、要介護5の80代男性が半年に1度の旅行をするようになってから、要介護2まで改善した例があるという・・・

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