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医療・健康
朝日新聞出版

認知症7大リスクのすべて 食や運動だけではない予防法

初出:2014年8月22日号
WEB新書発売:2014年8月21日
週刊朝日

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 認知症になることを防ぎたいのであれば、まだまだやらなければいけないことがある。カギを握るのは、食や運動だけではない。病気、生活習慣、嗜好品に気を付けることも重要な要素となっている。糖尿病や高血圧、うつはそれ自体大変な病気だが、認知症リスクも高い。アルコールやたばこも、やはり危険性を秘める。歯や頭部外傷も意外なつながりを持っている。これらを改善することは認知症予防への道。できることから始めよう。

◇糖尿病/「食後血糖値」が高い人や低血糖が続く場合は要注意
◇高血圧/中年期の高値ほどリスク大、無症状の梗塞が発症原因に
◇うつ/3年で半数がかかる報告も、高齢者のうつはとくに危険
◇歯/噛めなくなることが問題に、歯を失ったら入れ歯を使う
◇アルコール/脱水作用などが脳に悪影響、少量ならむしろプラス作用
◇たばこ/今から禁煙でリスクが減少
◇頭部外傷/軽いものでもリスク上げる
◇治る認知症もある!


〈糖尿病〉「食後血糖値」が高い人や低血糖が続く場合は要注意

 認知症の発症リスクと関係が深い病気が糖尿病であることを最初に突き止めたのが、「久山町研究」だ。福岡県久山町の住民を50年以上にわたって調査しているもので、研究を主導する、九州大学大学院環境医学の清原裕教授は言う。
 「65歳以上の高齢者に占める認知症患者の割合は、2000年代から上昇し、とくにアルツハイマー型認知症はぐんと急増しています。その原因は、糖尿病の患者が増えたこと以外に考えられません」
 13年に厚生労働省が発表した「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病の患者数は推計950万人。15年前の調査時と比べ、260万人も増えている。
 糖尿病が認知症につながる理由は、いくつか報告されている。糖尿病と認知症との関係に詳しい、九州大学病院内分泌代謝・糖尿病内科の園田紀之医師はこう解説する。
 「まず、糖尿病になると血管に障害が起きやすく、脳に十分な栄養や酸素がいかなくなります。また、高血糖による『酸化ストレス』が、脳の神経細胞にダメージを与えるのです」
 さらに、糖尿病になると、アルツハイマー型認知症の原因とされるアミロイドβという不要なタンパクが、脳にたまりやすくなる。
 「糖尿病になると、血糖値を下げるインスリンが効きにくくなるため、体内でインスリンが過剰に分泌されることがあります。アミロイドβとインスリンを分解する酵素は同じ。つまり過剰なインスリンの分解に必要な酵素をとられて、アミロイドβが分解されなくなるのです」(園田医師)
 糖尿病のうち、認知症リスクと関連があるのは、食後に急激に血糖値が上がるタイプだ。糖尿病の検査には、空腹時にブドウ糖を溶かした水を飲み、飲む前と後の血糖値を比較して血糖値の変動をみるものがある。この検査で、糖を飲んで2時間後の血糖値が200(単位はmg/dl、以下同)以上あると、糖尿病が強く疑われる・・・

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