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医療・健康
朝日新聞出版

徘徊の防ぎ方&見つけ方 認知症行方不明者1万人時代「8つのヒント」

初出:2014年9月5日号
WEB新書発売:2014年9月4日
週刊朝日

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 「認知症は想像を超えることばかり」と認知症の母の在宅介護をした女優が明かす。認知症の男女がやがて家族を悩ませ、疲弊させる大きな問題は「徘徊」だ。そのとき、彼らが向かう「家族とは違う意識空間」「記憶の中の心地よかった場所」とはどこか。一方、昼間の運動、体にふれる「タクティールケア」、GPS端末機付きのシューズ、地域の徘徊SOSネットワークへの事前登録などがもたらす効果とは何か――。徘徊の原因を探り、徘徊の防止や早期発見にひときわ役立つ8つのヒントを紹介する。

◇夫が徘徊、いつしかコースを逸脱し…
◇家の模様替えが原因になる例も
◇体にふれるケア、症状軽減に有効
◇徘徊をひとごとと思わず、目を配る
◇犬が連れて帰ってくれた母/秋川リサさん


夫が徘徊、いつしかコースを逸脱し…

 鳥取県在住の元住職(81)が認知症と診断されたのは8年前だ。穏やかで慈悲深く、周囲からも「ええ和尚さん」と慕われていたのだが、法事の約束を忘れたり、行儀や態度が悪くなった。妻(60)が振り返る。
 「私が大事に育てている庭の草花をバキバキ折ったり、庭で放尿したり、仰天することが次々に起こりました。庭にいれば安心でしたが、家の外に出て戻らないことも増えてきました」
 妻は、夫にパズルをさせたり、病気の進行を遅らせる薬も飲ませていたが、ある晩、夫が消えた。午後11時を回っていた。懐中電灯を手に家族で周囲を捜したが見つからない。警察に通報しようとしたとき、夫が姪に支えられるようにして帰ってきた。
 「近所の家に入ろうとドアに手をかけていたところを姪が見つけたんです。この辺りは田舎で鍵をかけないお宅も多い。そのまま入ったら家宅侵入ですからね。さすがにショックでした」
 妻はそれを機に夫の監視を強め、玄関には高い位置やわかりづらい場所に鍵をつけた・・・

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