文化・芸能
朝日新聞出版

乱世を生きた女性城主たち 子孫が語るその素顔

2016年01月14日
(6700文字)
週刊朝日

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 戦国時代、女性の地位は今より格段に低く、歴史の主役は男たちだった。「死」はずっと身近で、「結婚」とは他の家に人質に行くことを意味した。しかし、そんな時代を生きた女性城主たちもいる。子孫が語るその素顔とは……。井伊家17代当主の長女・井伊裕子さんが語る井伊直虎、織田家16代当主・織田裕美子さんが語る「おつやの方」(織田信長に処刑された叔母)など、何人かを紹介する。

◇2017年のNHK大河ドラマの主人公、井伊直虎
◇織田信長に処刑された叔母の女城主、おつやの方
◇女鉄砲隊を組織した武勇の人、立花誾千代
◇筋金入りの平和主義だった東北の女城主、清心尼


2017年のNHK大河ドラマの主人公、井伊直虎

「直虎と自分が重なり、胸がぎゅっと絞られた…」

井伊家17代当主の長女・井伊裕子さん


 私が井伊直虎を知ったのは学生時代。何かで読んだのがきっかけだったと思います。
 一人娘として生まれた直虎は、父親が戦死し、許嫁だった直親を家臣の裏切りで失うなど、まわりに井伊家の当主となるべき男の人がいなくなりました。とにかく自分がなんとかしないと、井伊家がつぶれてしまうという大変な立場です。
 そして、直親の遺児である幼い直政を守るために、井伊谷(現在の静岡県浜松市)に住んでいては危険だと三河の寺に預けたりしながら、最終的には直政を徳川家康に仕えさせるところまでつなげていきました。頭のいい女性だったのだろうと思います。


 私としては「直虎」という名前より、出家して名乗っていた「次郎法師」のほうがぴったりきます。ふつう出家したら男か女かわからないような法名をつけますが、「次郎」という男の名前をつけたところに、彼女の置かれていた立場や思いが凝縮されているような気がするんです。


 戦国時代、女性の当主がいないわけではありません。しかし、男のほうが断然優位に立っていた時代です。直虎という名を名乗って領主を務めたのも、男になりすまさないと馬鹿にされてしまう状況だったからではないかと思います。虎、という字がまた強そうですよね。
 実は彼女の話を初めて知ったとき、置かれた立場が自分自身と重なって、胸がぎゅっと絞られるような思いがしました。
 私は二人姉妹の長女で、男兄弟はいません。ここでつながなかったら直系の井伊家はぷっつり切れてしまう、という状況でした・・・

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乱世を生きた女性城主たち 子孫が語るその素顔
216円(税込)

戦国時代、女性の地位は今より格段に低く、歴史の主役は男たちだった。「死」はずっと身近で、「結婚」とは他の家に人質に行くことを意味した。しかし、そんな時代を生きた女性城主たちもいる。子孫が語るその素顔とは……。井伊家17代当主の長女・井伊裕子さんが語る井伊直虎、織田家16代当主・織田裕美子さんが語る「おつやの方」(織田信長に処刑された叔母)など、何人かを紹介する。[掲載]週刊朝日(2016年1月15日号、6700字)

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