【お知らせ】WEB新書は閉店しました。

社会・メディア
朝日新聞出版

危険なデジタル遺品 放置は絶対ダメ、できれば生前整理を

初出:2016年1月1日―1月8日合併号
WEB新書発売:2016年1月28日
週刊朝日

このエントリーをはてなブックマークに追加

 人が死去した時の遺産・遺品。忘れがちだが、パソコンやスマホ、デジカメといった機器や機器の中のファイル、ネットなどに残されたデータが重要だ。「デジタル遺品」とも言われるこれらは個人情報の宝庫。放っておくと詐欺などに悪用されることもあるが、遺族が「どうしたらいいか分からない」と言うケースも珍しくない。できれば本人が生前に整理しておくのがいいようだ。一方、高齢ドライバーの事故が社会問題化する中で、年をとっても運転を続けるためのコツを探ってみた。

◇パソコンの中のデータ、ネット上の個人情報
◇高齢者が安全に運転し続けるには


パソコンの中のデータ、ネット上の個人情報

◎亡き夫のブログが乗っ取られ詐欺に悪用/知らない高額取引で多額の損失
 「夫のパソコン、どうしたらいいんでしょうか」
 愛知県在住の鈴木清治さん(64)は5年ほど前、同じマンションに住む女性からこんな相談を受けた。夫(当時59歳)はがんで急逝。その遺品整理の中で困ったのがパソコンだった。
 「パソコンやインターネットに詳しかった人なので、さまざまなデータや個人情報が保存されているのでは、と。奥さんは『捨てる訳にも下取りに出す訳にもいかない』と途方に暮れていました」(鈴木さん)
 結局、ハードディスクを取り外してから処分した。鈴木さんは「自分にもしものことがあったら同じように家族が困るに違いない」と、パソコン内のデータ整理に着手したという。
 亡くなった人が使っていたパソコンやスマートフォン、デジタルカメラなどの機器そのものや、そこに残されたデータは「デジタル遺品」と呼ばれる。データは幅が広く、デジカメの中の写真からメールをやり取りしていた人の個人情報、SNSなどのアカウントなども含まれる(表参照)。


 総務省の調査によると、2014年のインターネット利用状況は全体で80%を超え、60代では75%超、70代でも半数超と、高齢者の利用も年々拡大している。「デジタル遺品を放置すると、さまざまなトラブルが起きる可能性がある」と警鐘を鳴らすのは、情報セキュリティーの専門家で『「デジタル遺品」が危ない そのパソコン遺して逝けますか?』(ポプラ新書)の著者、萩原栄幸さんだ。
 どんなトラブルが起こりうるのか? 萩原さんが実際に相談を受けた事例だ。
 A子さん(60代)は夫(70代)を亡くした。旅好きだった夫はリタイア後ブログをスタート。がんが見つかってからは、ブログに寄せられる応援コメントが支えにもなっていた。友人を介し亡くなったことが知らされた後もたくさんのコメントが寄せられ、夫がネットの中で生き続けるような気がして、A子さんはブログをそのまま残していた。ところが半年が過ぎたころ、夫の友人から「ブログのアカウントが乗っ取られているのでは」と連絡が入る。銀行口座から身に覚えのない名目で数十万円も引き落とされたが、その原因は、夫のブログのニセのアフィリエイト広告で買い物をしてしまったためではないか……というのだ・・・

このページのトップに戻る