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科学・環境
朝日新聞出版

医師や記者が危ない 人工知能に負ける仕事、負けない仕事

初出:2016年2月12日号
WEB新書発売:2016年2月12日
週刊朝日

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 長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」に開業したホテルのフロントに人間の従業員はいない。ロボットが客を迎える。米AP通信では、企業の決算記事を人工知能(AI)が書き始めた。人間がやっていた仕事がなくなる日はすぐそこまで来ている。実は定型的な作業が多いと言われる税理士や公認会計士も例外ではない。検査画像からがんを見つける精度は、放射線医師よりAIの方が優れている、という報告もある。一方、当面は人間がAIに負けそうにない仕事もある。

◇AIに負ける仕事、負けない仕事
◇負けない仕事の共通点は 打ち勝つ3つのポイント
◇驚異的なスピードで進化するAI ドラえもんのほんやくコンニャクも実現?


AIに負ける仕事、負けない仕事

 1月28日に開かれた、2035年に向けた労働政策のたたき台をつくる厚生労働省会合――。塩崎恭久厚労相のほか、集まった有識者メンバーは口々に「人工知能(AI)とこれからの雇用」への不安を語った。
 その有識者メンバーのひとりでAI研究者の松尾豊・東京大学特任准教授はこう言う。
 「すでにAIに取って代わられる職業が出てきています」――。
 ハウステンボス(長崎県佐世保市)に昨夏、開業した「変なホテル」のフロントには従業員はおらず、ロボットが宿泊客をお迎えしている。同ホテルでは運用コスト削減のため、コンシェルジュやポーター、清掃もロボット化しているのだ。


 昨夏には米マスターカードが「顔認証」による決済システムの実験を始めると発表。オランダや米国で実施した。これが進化すれば、スーパーなどでの買い物は一変する。
 カゴに入れてレジで支払いをして……というのがこれまでだが、店内のカメラで来店客の顔を認識して本人を確認後、手に取っている商品を判別すれば、あとはその人物の銀行口座から自動的に決済する、なんて具合だ。こうなると、レジ店員はいらなくなるのはもちろんのこと、万引き犯罪も難しくなるため、警備員の仕事も不要となる。
 そして米AP通信では、AIが企業の決算記事をすでに書き始めている。記者の商売もいずれ、あがったりになる日が来るのか。
 1月にはこんなニュースもあった。AIを活用した研究開発に取り組んでいる東京大学発のベンチャー企業「エルピクセル」(東京都文京区)が、研究論文に使われている画像データでコピペなどの不正を見破るシステムを開発。さっそく海外の商談会で売り込みを始めた。その力量たるや「不正はほぼ100%見抜きます」と広報担当。これがもっと早くできていれば、小保ちゃんの『あの日』も違った展開になったかも……。
 英オックスフォード大のマイケル・オズボーン准教授らが発表したAI時代の職業リストに使った手法をベースに、野村総合研究所は同氏らと共同で研究。日本国内の約600種の職業に関してAIやロボットに代替される確率を試算し、昨年末に公表した・・・

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