【お知らせ】WEB新書は閉店しました。

社会・メディア
朝日新聞出版

孤独の番長 清原和博容疑者と覚醒剤

初出:2016年2月19日号
WEB新書発売:2016年2月18日
週刊朝日

このエントリーをはてなブックマークに追加

 元プロ野球選手の清原和博容疑者が、覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕された。現役時代は「無冠の帝王」などと言われながらも、通算525本塁打と歴史に残る偉大な成績を挙げた男。なぜ覚醒剤に手を出したのか。「現役時代は一発打ったら挽回や。今はそれがないねん」。背景には、現役の頃との勝手の違い、生活全般の孤独感があったようだ。

◇覚醒剤地獄 墜ちた番長、清原
◇「家に帰りたい」と泣き虫だったPL、西武のスター時代
◇天才だが考えられないバカ 野球人としての復帰は難しい/野村克也
◇あの純真な清原に戻って早くもう一度出直してほしい/中村順司
◇入れ墨をとろうとしていた だけど消せなかったと聞いた/村田兆治
◇この事件は球界に対する警告 指導者が常識教えなかった/広岡達朗
◇酒や食事は「自分のカネで」キヨはやり通していた/デーブ大久保


覚醒剤地獄 墜ちた番長、清原

 薬物は巨人時代から常用
 キャンプ地に覚醒剤が届き警察沙汰に
 「こらぁ そんな酒の入れ方あるか」ホステス怒鳴る
 お遍路で実際は「あぁ」と憔悴
 「テレビ出演していれば逮捕されない」と入れ知恵
 「警察に追われとる」と振り向き確認が癖に

 通算525本塁打、1530打点、オールスターでMVP7回という実績を残しながらも、『無冠の帝王』だった清原和博容疑者(48)。薬物疑惑の渦中にあった2月2日、ついに逮捕された。スーパースターが破滅に至った軌跡を総力取材した。

 清原を逮捕――。この一報に、本誌編集部も驚いた。というのも10年前、ある元プロ野球選手からこんな証言を得ていたからだ。
 「清原もクスリをやっとる」
 この元選手は取材に対し、自らの薬物使用を赤裸々に告白したうえ、こんな証言をしたのだ。
 「巨人時代の清原に頼まれてね、ワシが買って渡していたんだよ」
 本誌では、清原容疑者の薬物疑惑の取材を進めたが、なかなか裏が取れなかった。そして、証言した選手自身が覚醒剤取締法違反(使用)で摘発され、疑惑の取材が進まずにいたところ、今回の電撃逮捕に至った。ある球団関係者も、思い当たることがあったという。
 「キャンプの最中、球団幹部から呼び出しを受けたのであるホテルに行くと、清原がいました。当時、バリバリの現役でした。すごく深刻な顔をしていて、テーブルの上には紙袋があった。紙袋の中身は白い粉で、あとで覚醒剤とわかった。球団幹部は『男が清原さんへの届け物だと宿泊先のホテルに置いていった』と説明しました」
 もちろん、球団関係者は厳しく追及したが、清原容疑者は覚醒剤の使用を完全否定した。そのため、このときは厳重注意のみで終わったという。その後、疑惑の紙袋は極秘裏に警察に届けられた。
 「清原は、覚醒剤を届けた人物に心当たりがあったようで、『AかBや。嫌がらせや』と言っていた。別の場所では、携帯片手に『なんちゅうもん届けるんや』とすごい剣幕で怒鳴っていた」(球団関係者)
 実は、清原容疑者は現役時代から、警察に要注意人物としてマークされていた。
 「ホテルに届けられた紙袋の中身は、本物の覚醒剤でした。地元警察署には清原に気をつけるよう、いつも情報を入れていた。それほど清原の周辺には密売人やヤクザが多かった」(警察関係者)
 球団がひそかに身辺調査をすると、薬物の密売場所として知られていた東京都内の店に頻繁に出入りしていることがわかったという。
 「2008年にオリックスで現役引退したのも、薬物疑惑のある選手を球団がこれ以上雇うことはできず、かといって清原ほどの大物選手を一方的に解雇できない。それで本人に引退を決意させたと囁かれました」(前出の球団関係者)
 自他ともに認めるスーパースターだった清原容疑者は、最後は薬物によって『引導』を渡されたというのだ。
 捜査関係者も、長年にわたる周到な捜査があって今回の逮捕に至ったと話す。
 「10年以上前からマークしていた。今回の逮捕は2年以上かけて内偵して、昨年11月ぐらいからはいつでも逮捕できる状態だった。別の事件で逮捕された密売人の連中からも、清原の名前はよく挙がっていた。これほどの有名人がヤクザ、売人から直接クスリを買うなんて信じられなかった」
 ある売人によると、清原容疑者は覚醒剤をやるとき、自分で腕に注射を打ち、「『キターッ』と叫んで目を見開いていた」という・・・

このページのトップに戻る