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医療・健康
朝日新聞出版

うつ病治療の死角 こんな医者は絶対やめよう

初出:2016年7月22日号
WEB新書発売:2016年7月28日
週刊朝日

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 新薬が登場したこともあり、いわゆる「うつ病」の診断・治療が身近なものになっている。しかし、抗うつ剤が効きにくい患者は少なくなく、投薬に頼りすぎる治療は問題がある。「薬を飲んで休んでいれば治る」。そう思ったら大間違いだ。ただ、どの医院でどんな治療が行われているのか、医療の現場はあまり情報が開示されておらず、特に精神科はその傾向が強い。今のうつ病治療の盲点、良い医師を選ぶポイントなどを取材した。

◇うつ病治療の盲点
◇「不安はあるが薬はこりごり」
◇軽症は生活環境対応などで改善
◇うつ治療にも見える化が必要


うつ病治療の盲点

 「うつ病は薬を飲んで、休養すれば治る」。そんな医師のアドバイスを信じ、薬を飲み続けるものの、なかなか体調が戻らないという患者は少なくない。一体、いまのうつ病治療には何が足りないのだろうか。いい精神科医を選ぶポイントも含め、取材した。

 「歩道橋の上にいるとき、大型車が通ると、ちょっと揺れますよね。あんな感じの揺れがじっとしていても続いていたんです。『薬が合わないのではないか』と思ったのは、そのときからです」
 自身のうつ病体験をこう振り返るのは、都内の出版会社に勤める内藤良紀さん(仮名・41歳)だ。
 内藤さんがうつ病を患ったのは18年前の春。早朝から深夜までの仕事に、雑用ばかりを押しつける年下の先輩。疲れていても仕事が終われば仕事仲間と飲み会へ……。肉体的にも、精神的にもきつかった。
 やがて、朝起きられなくなり、頭痛や首の痛み、倦怠感にも襲われ始める。遅刻が続く内藤さんを心配した上司の勧めで産業医のもとへ。うつ病と診断され、処方されたのが、抗うつ薬のパキシルだった。パキシルはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)というタイプの代表的な抗うつ薬で、脳内の神経物質セロトニンを補う薬だ。
 2カ月の休養の間、医師の指示どおり薬を服用しながら自宅で過ごしていた内藤さん。周りに申し訳ないという罪悪感や、うつにかかったという絶望的な気持ちに加え、冒頭のようなめまい、胃の不調、尿が出にくいなどの体の症状にも悩まされるようになった。
 「薬を飲み続けるほど、体調は悪くなっていきましたが、医師に相談しても、『効き目がちゃんと感じられるまでかかる。しばらく様子を見ましょう』と言われるだけでした」(内藤さん)
 発症から8年。職場復帰と再発を何度となく繰り返す間、処方された抗うつ薬は、パキシルのほか、同じSSRIのルボックス、神経物質のノルアドレナリンとセロトニンが不足しないようにするSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)のトレドミン、古くから使われるトリプタノールの4種類。副作用を抑える胃薬や睡眠導入薬などもあり、毎回数種類の薬を飲んでいた。
 実は・・・

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