政治・国際
朝日新聞出版

トランプ詣での朝貢外交 中国を意識して米国に抱きつく?

初出:週刊朝日2017年2月24日号
WEB新書発売:2017年3月2日
週刊朝日

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 トランプ大統領と安倍首相による日米首脳会談は両国の親密ぶりを印象づけた。だが、陰にいたのは中国、ともみられている。地球規模での対話相手として、米国は日本より中国を重要視しているフシもある。1970年代の米中国交正常化ではカヤの外に置かれた日本。安倍首相は「朝貢外交」などと揶揄されることを百も承知で、中国より先に米国に近づくしかなかったのだろう、というのだ。一方、自動車などで再燃しそうな気配もある日米経済摩擦について、ジャーナリストの井上久男氏がリポートする。

◇第1章 トランプ『密使』が官邸にあらかじめ貢ぎ物をレクチャーしていた
◇第2章 自動車産業揺さぶる、トランプ氏の『口撃』/米国VS.日本、経済摩擦再燃


第1章 トランプ『密使』が官邸にあらかじめ貢ぎ物をレクチャーしていた

 米国での雇用創出、莫大なインフラ投資など貢ぎ物を事前に持参し、米国・ホワイトハウスでトランプ大統領と首脳会談を行った安倍晋三首相。その後、大統領専用機でフロリダへ飛び、トランプ邸に2泊して一緒にゴルフをするなど、「異例の歓待」(政府高官)を受けた。朝貢外交の裏側をリポートする。

 官邸の政府高官らは昨年暮れ、精悍な顔つきのビジネスマン風の米国男性と都内で顔を合わせた。男性は今回の日米首脳会談を成功させるべく、日本へ送り込まれた『密使』だった。
 男性の名はポール・マナフォート氏。昨年の米大統領選でトランプ大統領の選対本部長を務めた側近だが、ウクライナの親ロシア派から巨額資金を受け取った疑いで選挙期間中の昨年8月、辞任に追い込まれた。
 「レーガン、ブッシュ両元大統領の政策に携わってきた伝統的な共和党主流のビジネスコンサルタント。選挙戦略家としても高く評価されている。辞任しなければ、バノン首席戦略官の代わりに登用されていたでしょう。今でもトランプ氏の信頼は厚い」(日米関係筋)
 マナフォート氏との会談は、1時間に及んだ。官邸筋はこう解説する。
 「マナフォート氏は高官らに昨年9月にトランプ陣営が公表した政策、『トランプ・トレード・ドクトリン』で打ち出した減税や規制緩和政策などを説明しつつ、トランプ氏が円安是正、貿易赤字解消、防衛力強化の3点を重視していることを伝えたようです。端的に言えば、彼の訪日自体が『圧力』でした・・・

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トランプ詣での朝貢外交 中国を意識して米国に抱きつく?
216円(税込)

トランプ大統領と安倍首相による日米首脳会談は両国の親密ぶりを印象づけた。だが、陰にいたのは中国、ともみられている。地球規模での対話相手として、米国は日本より中国を重要視しているフシもある。1970年代の米中国交正常化ではカヤの外に置かれた日本。安倍首相は「朝貢外交」などと揶揄されることを百も承知で、中国より先に米国に近づくしかなかったのだろう、というのだ。一方、自動車などで再燃しそうな気配もある日米経済摩擦について、ジャーナリストの井上久男氏がリポートする。(2017年2月24日号、6100字)

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