政治・国際
朝日新聞出版

愛されキャラ・金正男が語っていた愛 日本が好きだった男

2017年03月02日
(6800文字)
週刊朝日

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 「これが欲しい。世界、どこにでも行ける」。北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の兄・正男氏は、「週刊朝日」の記者が見せた日本のパスポートに頬ずりし、こう話したことがある。同氏はマレーシアの空港で殺害され、北朝鮮当局の関与が取り沙汰されている。同氏は2001年、遊戯施設に行こうとして成田空港で拘束され大きく報道されたが、日本が好きで何度も訪問し、「秋葉原で食べたアイス」や「上野で食べた焼き鳥」の思い出も語っていた。父や兄弟への思いも打ち明けていた……

◇第1章 『愛されキャラ』金正男が本誌だけに語った本音
◇第2章 ソウル発 殺害動機は韓国亡命 朴大統領のメッセンジャー?
◇第3章 元北朝鮮工作員が明かす、暗殺の手口・女工作員の正体
◇第4章 『兄殺し』金正恩を狙う側近 「本能寺の変」で北朝鮮崩壊


第1章 『愛されキャラ』金正男が本誌だけに語った本音

 金正男氏は故・金正日総書記の2番目の妻で、女優の成恵琳氏(故人)との間に生まれた長男だ。4番目の妻、高英姫氏(故人)を母に持つ金正恩委員長とは異母兄弟の関係だ。
 「いくらなんでも、金日成、金正日の血統の人物を殺害するとは、常軌を逸している」(早稲田大学の重村智計名誉教授)


 金正男氏が日本で知られたのは、偽造パスポートを使って家族づれで日本に不法入国を試み、成田空港で拘束され、大騒ぎとなった小泉政権下の2001年だ。
 だが、目的は「東京ディズニーランドに行きたかった」という能天気なもので、そのまま強制退去処分となった。その後は北京、マカオ、シンガポールなどに居住して、IT関連事業などのビジネスを手掛け、香港や北欧で会社を経営していたという。北京には前妻と息子1人、マカオには後妻と1男1女がいるという。
 「母親の墓があるロシアへ行くこともあった。また息子の留学先のパリでも目撃されていた」(コリア・レポートの辺真一編集長)
 強制退去後も日本のメディアと接触を続け、ソフトな物腰、丁寧な受け答えで北朝鮮の改革・開放を訴える姿は、金王朝の中では異色。日本人記者にとって『愛すべき人物』で、本誌記者も正男氏とはマカオ、香港などで、たびたび接触していた。
 初めて正男氏と会ったのは約10年前、マカオのホテルだった。以前、知人に頼まれ、正男氏に東京ディズニーランド、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)など日本のテーマパークの本を贈ったことが縁だった・・・

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愛されキャラ・金正男が語っていた愛 日本が好きだった男
216円(税込)
  • 著者本誌取材班、ソウル 菅野朋子、軍事ジャーナリスト・黒井文太郎
  • 出版社朝日新聞出版
  • 出版媒体週刊朝日

「これが欲しい。世界、どこにでも行ける」。北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の兄・正男氏は、「週刊朝日」の記者が見せた日本のパスポートに頬ずりし、こう話したことがある。同氏はマレーシアの空港で殺害され、北朝鮮当局の関与が取り沙汰されている。同氏は2001年、遊戯施設に行こうとして成田空港で拘束され大きく報道されたが、日本が好きで何度も訪問し、「秋葉原で食べたアイス」や「上野で食べた焼き鳥」の思い出も語っていた。父や兄弟への思いも打ち明けていた……(2017年3月3日号、6800字)

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