医療・健康
朝日新聞出版

ムダな薬にさようなら 多剤処方が問題化している

初出:週刊朝日2017年7月21日号
WEB新書発売:2017年7月20日
週刊朝日

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 必要以上の薬剤が処方される「多剤処方」が高齢者医療の現場などで問題になっている。日本の病院の多くは診療科が臓器別。複数の病気を抱えている患者はそれぞれの診療科を受診し、結果的に多くの薬を処方されてしまう。だが、複数の薬の相互作用で思わぬ症状を引き起こすこともある。自己判断で薬をやめるのは厳禁だが、ムダな薬を整理するメリットについて、基本的な知識を身につけよう。高齢者が特に注意すべき副作用と薬の種類も紹介する。

◇第1章 ムダな薬を整理する!
◇第2章 65歳以上の患者、26%が10剤以上
◇第3章 睡眠薬などでは1剤でも問題に
◇第4章 水虫の治療薬をやめて浮腫改善


第1章 ムダな薬を整理する!

◎効きすぎで血圧低下、相互作用で意識障害も
 年齢を重ねると体の不調が出てくるのは仕方がないが、薬の数が増えるほど、思わぬ作用で健康を害するリスクも高まってくる。高齢者で今、こうした「多剤処方」が問題に。無駄な薬はないか、かかりつけ医や薬剤師に相談してみよう。

 千葉大学医学部附属病院(千葉市中央区)の薬剤師、新井さやかさんは、内科の病棟に入院していた70代の男性患者のカルテをみて驚いた。
 「上の血圧が80mmHg、単位以下略)で、下が52。これは低すぎますね」
 2型糖尿病のほか、泌尿器の病気や高血圧などの持病もあった男性。ふらつきなど薬の副作用と思われる症状が出ていた。
 処方されている薬を新井さんがチェックすると、心臓の機能を保ち、血圧を下げる薬が3剤、胃腸系の薬が2剤、血糖を下げる薬が2剤、尿の出をよくする薬が3剤など全部で13種類23錠にものぼった。薬の内容を精査すると、尿の出をよくする薬には、血圧を下げる作用もあった。薬の相乗効果で思いのほか血圧が下がっていたようだ。
 男性は、薬の代謝にかかわる腎臓の機能も低下していたことから、新井さんは「少し薬を減らしたほうがいい」と判断。医師や看護師などと相談し、最終的に10種類15錠にし、また1剤あたりの服用量も減らした。
 「男性は、退院時には上の血圧が120台まで上がり、ふらつきなどもなくなりました。薬を減らして持病が悪化することもありませんでした・・・

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ムダな薬にさようなら 多剤処方が問題化している
216円(税込)

必要以上の薬剤が処方される「多剤処方」が高齢者医療の現場などで問題になっている。日本の病院の多くは診療科が臓器別。複数の病気を抱えている患者はそれぞれの診療科を受診し、結果的に多くの薬を処方されてしまう。だが、複数の薬の相互作用で思わぬ症状を引き起こすこともある。自己判断で薬をやめるのは厳禁だが、ムダな薬を整理するメリットについて、基本的な知識を身につけよう。高齢者が特に注意すべき副作用と薬の種類も紹介する。(2017年7月21日号、4800字)

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