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朝日新聞出版

少し得する年金の知識 給付額を若干増やす方法

初出:週刊朝日2017年8月11日号
WEB新書発売:2017年8月10日
週刊朝日

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 会社員らが入る「老齢厚生年金」。受給開始は原則65歳だが、60〜70歳の間で選ぶこともできる。スタートを老齢に繰り下げると利率が上がるが、思ったより早く死ぬとある意味で「損」。そこで思い起こしたい。いま、男性の平均寿命は80.98歳(厚労省簡易生命表=2016年末)だが、これはいわば全体の平均(0歳児の平均余命)。日本は乳幼児死亡率がことさらに高い国ではないが、それでも大人よりは高く、この時期を生き残った人、たとえば60歳の男性で見ると平均余命は23.67歳。83歳以上まで生きる計算で、受給開始は繰り下げた方がトクかも知れない。年金を少しでも多く受け取るミニ知識を集めてみた。

◇第1章 年金を1円でも多くもらうコツ/「下流老人」「老後破産」…老後のサバイバル
◇第2章 知らなきゃ損する、個人型DC(イデコ)
◇第3章 いま未加入でもあきらめるな、加入10年でもOKに


第1章 年金を1円でも多くもらうコツ/「下流老人」「老後破産」…老後のサバイバル

 蓄えがあって将来は安泰。こんな人はごく少数で、「下流老人」や「老後破産」はひとごとではない。頼りにしたいのが年金だが、いつから、いくらもらえるのか、知らない人も多いはず。実はうまく活用すれば『お得』な制度がいろいろある。加入期間が10年でも受け取れる仕組みもできた。改めて年金について考えてみよう。

 年金と聞いてすぐ思い浮かぶのは、「国民年金」だろう。20歳以上60歳未満の全員の加入が義務づけられている。自営業や無職の人は保険料(2017年度は月1万6490円)を自分で支払っているので、覚えがあるはず。会社員らは「厚生年金」に含む形で、給料から保険料を天引きされている。
 国民年金に入っていると、原則65歳から「老齢基礎年金」を受け取れる。金額は加入年数に応じて決まり、40年間払うと満額(17年度は年77万9300円)をもらえる。
 「日本の年金は2階建て」とよく言われるが、この老齢基礎年金が1階部分に相当する。2階部分は会社員らが受け取れる「老齢厚生年金」だ。
 老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給し始める年齢は原則65歳。ただ、60〜70歳の間で選ぶこともできる。繰り上げると1カ月ごとに0・5%減額され、繰り下げると1カ月ごとに0・7%増額される。
 老齢基礎年金に絞って見てみよう。次の表のように、65歳からもらい始める場合の支給額を年80万円と想定する(基準ケース)。開始時期を60歳に繰り上げると、早めに受け取り始める分、支給額は年56万円と24万円(30%)減る。76歳8カ月よりも長生きすれば、生涯の総支給額は65歳から支給される基準ケースを下回ってしまう。

 支給開始を70歳に繰り下げると、遅く受け取り始める分、支給額は年113万6千円と33万6千円(42%)増える。65歳からの5年間を「無年金」で耐えなければならないが、81歳10カ月より長生きすれば、生涯の総支給額は基準ケースを上回る・・・

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少し得する年金の知識 給付額を若干増やす方法
216円(税込)

会社員らが入る「老齢厚生年金」。受給開始は原則65歳だが、60〜70歳の間で選ぶこともできる。スタートを老齢に繰り下げると利率が上がるが、思ったより早く死ぬとある意味で「損」。そこで思い起こしたい。いま、男性の平均寿命は80.98歳(厚労省簡易生命表=2016年末)だが、これはいわば全体の平均(0歳児の平均余命)。日本は乳幼児死亡率がことさらに高い国ではないが、それでも大人よりは高く、この時期を生き残った人、たとえば60歳の男性で見ると平均余命は23.67歳。83歳以上まで生きる計算で、受給開始は繰り下げた方がトクかも知れない。年金を少しでも多く受け取るミニ知識を集めてみた。(2017年8月11日号、7700字)

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