経済・雇用
朝日新聞出版

アベノミクスの手品 人口減で人手不足・公的資金で相場支え…

初出:週刊朝日2017年11月3日号
WEB新書発売:2017年11月9日
週刊朝日

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 安倍首相の経済政策「アベノミクス」が雇用増や株式相場などの上昇をもたらした……。同首相はそう自賛し、社会的にも一定の評価を受けている。しかし、景気を実感できないという声は根強く、格差の拡大など弊害が広がっている、との批判も多い。求人倍率増は好景気というより少子化や人口減の結果? 株式相場は日銀(日銀は政府機関ではないが)などの公的な資金で支えているおかげ? 本当はアベノミクスには「まやかし」があるのではないか。その実像を冷静に見てみよう。

◇第1章 アベノミクスのまやかし/広がる格差、増えない給料…後始末はこれからだ
◇第2章 課題は雇用の『質』 増える非正社員
◇第3章 異例の金融緩和、日銀をむしばむ
◇第4章 緩む政府の財政、ばらまき恐れも


第1章 アベノミクスのまやかし/広がる格差、増えない給料…後始末はこれからだ

 「アベノミクスの『3本の矢』を放つことで日本経済の停滞を打破し、マイナスからプラス成長へと大きく転換することができました」
 安倍首相は、衆院解散を表明した9月25日の会見でこう発言。数値を挙げて、実績をアピールした。
 国内総生産(GDP)は11年ぶりに6四半期連続でプラス成長を続けている。雇用者数は200万人増加し、正社員の有効求人倍率は1倍を超えた。大学新卒者の就職率は過去最高を更新している。
 確かにアベノミクスにはそれなりの効果はあった。大幅な金融緩和や積極的な財政支出、規制緩和などによる成長戦略という「3本の矢」は、不況時にやるべき経済政策で、何も目新しいものではない。やるべきことをやれば、ある程度効果が出てくるのは当然だ。
 問題は、効果があったとしても負の側面は必ずあるのに、それを政権が直視していないことだ。例えば株価の上昇は、経済全体で見ればプラスの面が多い。だが、株式などに積極的に投資している世帯は2〜3割程度。大半の人にとって、株価上昇の恩恵は直接的には感じられない。株価が上がれば上がるほど、株式を持つ人と持たざる人との資産格差は広がっていく。

 安倍首相の選挙中の主張では、こうした負の側面に触れず、「アベノミクスの加速で所得が向上する」といったバラ色の未来ばかり訴えているように見える・・・

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アベノミクスの手品 人口減で人手不足・公的資金で相場支え…
216円(税込)

安倍首相の経済政策「アベノミクス」が雇用増や株式相場などの上昇をもたらした……。同首相はそう自賛し、社会的にも一定の評価を受けている。しかし、景気を実感できないという声は根強く、格差の拡大など弊害が広がっている、との批判も多い。求人倍率増は好景気というより少子化や人口減の結果? 株式相場は日銀(日銀は政府機関ではないが)などの公的な資金で支えているおかげ? 本当はアベノミクスには「まやかし」があるのではないか。その実像を冷静に見てみよう。(2017年11月3日号、5000字)

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