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朝日新聞出版

和牛に何が起こったか もう手が届かない?価格高騰

初出:週刊朝日2017年12月8日号
WEB新書発売:2017年12月14日
週刊朝日

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 和牛(黒毛和種・日本短角種など)の価格が上昇しており、庶民には手の届きにくい「ぜいたく品」になる恐れさえ出ている。子牛を育てる繁殖農家の高齢化や離農に加え、豚肉など和牛以外の食肉の多様化・ブランド化も背景にあるようだ。小売店では売り場縮小の動きも出ている。一方で和牛の国際的な評価は高く、経済成長著しいアジア諸国などを中心に大人気だ。高値は長くは続かない、という見方もある。しかし、価格が下がった時こそ生産者にとっては真の危機。それは和牛にとっての危機も意味する。

◇第1章 出荷減り、高値続く牛肉 焼肉店「トラジ」、牧場進出
◇第2章 前年比4割増の輸出 台湾で空前のブーム
◇第3章 はじける?和牛バブル 卸値の行方に、戦々恐々


第1章 出荷減り、高値続く牛肉 焼肉店「トラジ」、牧場進出

 上越新幹線の本庄早稲田駅から車で20分、埼玉県神川町に約100頭の黒毛和牛を育てる牧場がある。運営するのは、首都圏や近畿圏で60店超を展開する焼肉店「トラジ」。昨年から育て始めた牛が今年秋、出荷期を迎えた。11月29日(いい肉の日)、「トラジ和牛」として全店でお披露目する予定だ。
 畜産農家が焼肉店を運営することは、これまでにもあった。しかし、その逆は珍しい。トラジが「業界初の自社牧場」という挑戦を始めた一因は、和牛の高騰。高山光錫常務(49)はこう話す。
 「和牛の価格は高止まりが続く一方で、頭数は大きく増えません。当社は焼肉店ですが、畜産物の生産という川上の分野にも乗りだし、『6次産業化』を進めたいと考えていました。異業種による牧場経営は難しい、採算が合うのかなど様々な意見が社内にありましたが、価格高騰もあって、計画を進めてきました」
 新規事業を背負うのは、肉の仕入れを担っていた高山さんと、店舗で働いていた村松剛さん(34)。ともに牛の飼育は素人だったが、埼玉県で「武州和牛」を育てる塚田牧場の協力を得られ、軌道に乗せた。
 まず直面したのが、育てるために買う子牛の高値だった。昨年1月、栃木県矢板市のせりでの購入価格は1頭100万円。和牛子牛の価格(全国平均)は5年前の2倍以上に上がっており、今や車1台分に近づく水準だ・・・

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和牛に何が起こったか もう手が届かない?価格高騰
216円(税込)

和牛(黒毛和種・日本短角種など)の価格が上昇しており、庶民には手の届きにくい「ぜいたく品」になる恐れさえ出ている。子牛を育てる繁殖農家の高齢化や離農に加え、豚肉など和牛以外の食肉の多様化・ブランド化も背景にあるようだ。小売店では売り場縮小の動きも出ている。一方で和牛の国際的な評価は高く、経済成長著しいアジア諸国などを中心に大人気だ。高値は長くは続かない、という見方もある。しかし、価格が下がった時こそ生産者にとっては真の危機。それは和牛にとっての危機も意味する。(2017年12月8日号、4200字)

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