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朝日新聞出版

アルコールおじさん急増中 「代わりのもの」を探す旅

初出:2017年12月22日号
WEB新書発売:2017年12月28日
週刊朝日

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 アルコール依存症の中高年が急増している。会社を辞めて家にも居場所がなく、「代わりのもの」を求める気持ちからかも知れない。コンビニなどどこでも手軽に酒類を買えるようになったことも影響しているようだ。だが、知っておきたい。医師の診断を受け入れて入院した患者でさえ、本当は自分は「依存症ではない」と思っていること。依存症者は適度なお酒の楽しみ方をすることはできず、きっぱり断酒するしかないこと。仕事や会社の「代わり」にアルコールに走ったのなら、依存症を抜け出すには「酒に代わるもの」を新たに見つけ出すしかないのだろうか。

◇第1章 朝ベロ・昼ベロは危険/アルコール依存症のシニアが増殖中
◇第2章 酒で下痢止まらず、紙オムツ着ける
◇第3章 唯一の治療法は断酒しかない!


第1章 朝ベロ・昼ベロは危険/アルコール依存症のシニアが増殖中

 日本を見渡せば、酒はコンビニなどで24時間いつでも購入できる。スーパーやディスカウントストアに行けば、ジュースより安い100円以下で売られている酎ハイ缶もある。繁華街、電車内などでは酔っ払った中高年が溢れているが、依存症に陥るケースが急増している。

 製造業の会社に勤めていた藤原隆さん(仮名・71歳)は65歳で退職後、暇を持て余して朝から酒を飲むようになった。もともと酒好きだったが、酒量は日ごとに増えていった。
 「朝起きてもやることがないから、酒を飲むようになりました。朝酒はうまくてすぐに酔っ払える(笑)。最初は1合までと決めていたんだけど、だんだんと自制が利かなくなった。常にアルコールが入っている状態になって、1日に日本酒を1升も飲むようになっていきました」
 見かねた妻に促され、アルコール依存症の専門病院を受診。その日から3カ月間入院した。以来、酒を断って6年が経過した。藤原さんは断酒が続けられている理由をこう語る。
 「病院で知り合った人が、断酒会の集まりに顔を見せなくなった。どうしたんだろうと思っていると、また酒を飲み始めてしまい死んだと聞かされる。そんな人はもう何人もいます。そのショックが抑制になっているからだと思います」
 酒は『百薬の長』と言われるが、長年にわたって過度の飲酒を続けると、肝機能障害や糖尿病、高血圧など生活習慣病リスクが高まることはよく知られている。
 同時にアルコールは「依存薬物」で、アルコール依存症は自分の意思で飲酒をコントロールできなくなる病気だ。毎晩のように深酒をして会社を欠勤するようになり、失職してしまう人もいる。また、一度飲んだら止まらなくなり、配偶者への暴言や暴力、子どもへの虐待などの社会的な問題を起こすこともある・・・

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