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死んでいない者の相続対策 それは「勝負の10カ月」

初出:2018年2月23日号
WEB新書発売:2018年3月1日
週刊朝日

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人はいずれ死ぬ。理屈は分かっていても、身近な人が死去すると大あわて。手続きなど何をしていいか全然分からず、とりあえず本屋で実用書を買う人もいるだろう。死亡届や火葬関係の申請のほかにも、年金や保険など様々な手続きが必要だ。納付期限が10カ月の相続税関係は特に注意。遺族同士がもめる「争続」という言葉もある。幼いころは仲が良かった兄妹が父の遺産を巡って争うモデルケースも取り上げつつ、円満な相続のための「七つのポイント」を紹介する。

◇第1章 相続「勝負の10カ月」、七つの知恵で備える
◇第2章 生前の準備が明暗を分ける
◇第3章 『争続』を避けるには…/元気なうちから準備を


第1章 相続「勝負の10カ月」、七つの知恵で備える

 相続はいつ向き合うことになるかわからない。悲しむ中でも、相続税の申告・納付期限は10カ月でやってくる。やるべきことは多く、時間は意外と少ない。家族でもめる『争続』にならないよう、生前の準備が大切だ。「勝負の10カ月」を乗り切るための七つの知恵とは。

 亡くなってから相続税の申告までに遺族がしなければならないのは、どんなことだろうか。手順を示したのが次の図だ。

 まず残された家族は亡くなってから7日以内に、死亡届を市区町村に提出する必要がある。火葬許可の申請も同時に行う。
 届け出が必要な書類はほかにもいろいろある。被相続人が受給していた年金の受給停止手続き(死亡後10日以内)、国民健康保険の資格喪失届(14日以内)、介護保険の資格喪失届(14日以内)、世帯主の変更届(14日以内)などだ。漏れがないように役所の窓口で相談しながら進めよう。
 相続にあたって重要となるのが法定相続人の確定だ。それには亡くなった被相続人の戸籍謄本を取り寄せなければいけない。本籍地の市区町村に直接行くか、郵送で請求することもできる。生まれたときから亡くなるまでの全ての戸籍謄本をチェックし、きょうだいや子ども、養子らを全員把握する。仮に婚外子が新たに判明した場合には、亡くなったことを連絡し相続手続きへの協力を要請する。
 相続人が確定できたら、遺言書があるかどうかを確かめよう。正式な遺言書の内容は、法定相続分に優先する。
 同時に進めるのが残した財産を把握することだ。預貯金や投資信託といった金額がわかりやすいものから、不動産や貴金属、美術品まですべてをリストアップする。住宅ローンなどマイナスの財産も調べておく。金額の評価に時間がかかる場合は、とりあえずリストに入れて、判明した段階で記入すればいい。
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