自転車にハマるビジネスパーソンが全国で続出する一方で、空前のブームを支えるメーカーや小売り、はたまた道路行政など自転車産業の動きもまた、熱い。
◇急成長する「第3のビークル」白熱するパナソニック対ヤマハ
◇自転車技術を変革し続けるシマノの強さと新たなる課題
◇マッハにも耐える超高性能ハブ業界常識を覆す近藤機械製作所
◇街のコミュニティサイクルただいま全国各地で実験中
◇イオンがあさひへ宣戦布告白熱する自転車流通戦争の行方
◇『先進国』の欧米に倣え自転車道は線を引くだけでいい
自動車、オートバイ市場が低迷するなか、電動アシスト自転車の需要が急拡大している。国内市場を二分するパナソニックサイクルテックとヤマハ発動機による熾烈なシェア争いの状況を探った。
1回の充電で東京から静岡の先まで走れる──。
パナソニックサイクルテックが9月に発表した電動アシスト自転車「ビビチャージ・W」が、業界で話題となっている。理由は1回の充電で走る距離の長さにある。
従来の製品は、最も省エネなモードでも20〜40キロメートル程度だ(約3〜8アンペア時の場合)。
ところが、パナソニックの新製品は160キロメートルという電気自動車並みの長距離走行が可能となる。16アンペア時という大型充電器を搭載し、さらに乗ったまま充電できる回生充電機能を付けたことで実現。ライバルであるヤマハ発動機(省エネモードで最大47キロメートル)を大きく引き離した。
◎パナソニックが原型作るが商品化はヤマハが先行
対するヤマハは、「当社は家電ではなく乗り物を作る会社。車種によってパワー特性を変えるなど、きめ細かいチューニングを行っている」と乗り心地で勝負する。
パナソニックとヤマハの『因縁』は深く、古い。
そもそも電動アシスト自転車の原型は、1979年にパナソニックサイクルテック(当時はナショナル自転車工業)が作り上げた。
幼少期に自転車店ででっち奉公した故松下幸之助氏の「電気屋らしい自転車づくり」を具現したのだ。ところが自走式のため、公道を走るには運転免許が必要で、普及には至らなかった。
それから14年後、「世界初の電動アシスト自転車メーカー」という称号を得たのはヤマハだった。警察庁との話し合いにより、免許不要の新ジャンルが認められ、93年に世界初の電動アシスト自転車が発売された。
96年にはパナソニックも電動アシスト自転車に参入。以後、両社の熾烈な争いが始まる。
当初はヤマハがシェアトップだったものの、パナソニックは2000年、ニッカド電池よりも高性能なニッケル電池を導入してシェア1位を奪取する。その翌年にはヤマハが抜き返すと、パナソニックは02年、継ぎ足し充電可能なリチウムイオン電池を導入し、再びトップに返り咲き、今に至る。
現在のシェアは図3‐2のとおりだ。本誌推計によれば、パナソニックが約41%と圧倒。ヤマハが約24%、ブリヂストンサイクルが約21%、三洋電機が約12%と国内市場を4社で分ける。
とはいえ、パナソニックと三洋電機は同一グループであり、さらに来年1月にはパナソニックブランドに統一されるため、単純合算で約53%を占めることになる。
かたや、ヤマハとブリヂストンは共に、電動アシストユニットはヤマハ、車体はブリヂストンで共通しており、両社を合算すれば約45%。両陣営のシェアは拮抗している。
◎原油価格高騰と法令基準改正で大人気に
電動アシスト自転車の市場は右肩上がりで成長している(図3‐3参照)。
特に原油価格が高騰した08年以降、人気に拍車がかかった。
さらに同年12月には・・・
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自転車にハマるビジネスパーソンが全国で続出する一方で、空前のブームを支えるメーカーや小売り、はたまた道路行政など自転車産業の動きもまた、熱い。パナソニックとヤマハ、シマノとスラム、イオンとあさひ……。自転車産業をめぐり熾烈な競争が繰り広げられている。[掲載]週刊ダイヤモンド(2011年9月24日号、11000字)
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