◇分断 彼岸の境内、人影なく
◇離散 安住の先行き見えず
◇無念 心のよりどころ失う
◇喪失 骨つぼ抱いて暮らす
◇行茶 寄り添い祈り続ける
2011年10月26日掲載
福島第1原発事故で原発から20キロ圏内の市町村は警戒区域に指定され、住民は住み慣れた土地を追われた。再び戻れる見通しが立たない中、先祖が眠る墓を訪ねることもできず、住職や檀家(だんか)は心に痛みを抱えて避難生活を送る。地域自体が危機にさらされ、地域社会をつなぐ役割も果たすお寺の機能が発揮される場も失う。この苦難にどう向き合っていくのか。寺院関係者の切実な思いを通じて、お寺の存在意義や「心のよりどころ」の在りようを考える。
(松田博英、中島剛)
車は警戒区域外の相馬市から、区域内の福島県浪江町を目指す。9月23日、彼岸の中日だ。区域の外側の墓地はどこも、先祖の供養に訪れる参拝者の姿が目に付く。
ハンドルを握る林心澄さん(44)がぽつりと漏らす。
「本当は忙しい日なんだ」
林さんは浪江町大堀の清水寺の住職。原発までは9.5キロの警戒区域内で、住職といえど自由には入れない。今は相馬市で避難生活を送っている。彼岸の時ぐらいは、せめて寺で経を上げようと、許可を得て一時立ち入りした。
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福島第1原発事故で原発から20キロ圏内の市町村は警戒区域に指定され、住民は住み慣れた土地を追われた。再び戻れる見通しが立たない中、先祖が眠る墓を訪ねることもできず、住職や檀家(だんか)は心に痛みを抱えて避難生活を送る。地域自体が危機にさらされ、地域社会をつなぐ役割も果たすお寺の機能が発揮される場も失う。この苦難にどう向き合っていくのか。寺院関係者の切実な思いを通じて、お寺の存在意義や「心のよりどころ」の在りようを考える。(2011年10月26〜30日、5700字)
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