2012年3月3、28日掲載
◇開業医、地元に戻れず
◇地域医療の規模縮小強いられる
◇一歩ずつ医師ら奮闘
◇巡回診療、孤立防ぐ
東日本大震災の被災地で、地域医療の最前線を担う「かかりつけ医」の再建が遅れている。将来展望が描けないなどとして、現地での再開を断念する開業医が多いためだ。特に宮城県の気仙沼医療圏(気仙沼市と南三陸町)は、震災後に休廃止となった診療所が3割に上っている。診療所に対する公的な支援が薄いことも、再建の歩みを鈍らせている。
真新しい待合室で再会を喜ぶ声が弾む。「久しぶり」「家族は元気か」。みんな震災後に故郷を離れた南三陸町の住民だ。
同県登米市迫町の「ささはら総合診療科」。震災前に南三陸町の開業医だった笹原政美さん(65)が2011年12月、開院した。場所は同町の被災者が暮らす仮設住宅近く。「私のように町を離れた町民たちにとって、サロンのようになっている」
志津川湾から200メートルの距離にあった診療所は津波で流失した。北海道出身。30代から50代まで公立志津川病院に勤めた。自分を育ててくれた地域に恩返ししたいと、2005年に独立した。
町への思いが強い笹原さんですら、壊滅的な姿に「帰りたい」と思えなかった。「町の将来像がどうなるか分からない。復興を待つより、町外の仮設で暮らす住民のためにできることをしたい」と移転を決めた・・・
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東日本大震災の被災地で、地域医療の最前線を担う「かかりつけ医」の再建が遅れている。将来展望が描けないなどとして、現地での再開を断念する開業医が多いためだ。特に宮城県の気仙沼医療圏(気仙沼市と南三陸町)は、震災後に休廃止となった診療所が3割に上る。診療所に対する公的な支援が薄いことも、再建の歩みを鈍らせている。[掲載]河北新報(2012年3月3、28日、9200字)
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