昨年、日本は31年ぶりの貿易赤字に陥った。これが一過性の問題でなく、2〜3年後には所得収支の黒字を上回り経常収支の赤字に発展するリスクシナリオが語られる。予算の半分を借金で賄い、国内総生産の2倍にも達する債務を抱える日本は、大きな岐路に立たされた。
「1980年以来の貿易赤字」
財務省が1月25日に発表した31年ぶりの事態に飛びついたのは、日本のメディアばかりではなかった。米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』や英国放送協会(BBC)、韓国『毎日経済新聞』といった欧米アジアの主要メディアがトップニュース扱いで詳細に報じた。内外の高い関心を集めた理由は、日本の貿易赤字が一過性ではなく構造的なものである可能性が高く、その先にある経常赤字国への転落を強く意識したからだ。
その兆候は年明け早々にあった。「貿易収支は赤字が拡大、日本は資本の純輸入国へ」──JPモルガン証券が1月4日に配信したリポートに内外の投資家が素早く反応した。
経常収支とは、外国とのモノやサービス、金融取引で発生した受取額と支払額の差額である(表)。黒字なら生産や消費などの経済活動が国内資金で賄える状態で、赤字は不足する資金を外国から調達する状態を指す。このリポートは、日本が世界にマネーを供給する立場(資本輸出国)から逆に調達する側(資本輸入国)に転換する重大性を伝える具体的なシミュレーションだ。
「日本が外国の資金に依存するような事態に陥った場合、今のような低金利(長期金利1%前後)が続くはずがない。財政問題に発展する」と、外国人投資家はユーロ圏の債務問題以上の危機が、日本発で発生するリスクを読み込み始めたのである。
その大きな節目として注目される経常赤字化の時期を・・・
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昨年、日本は31年ぶりの貿易赤字に陥った。これが一過性の問題でなく、2〜3年後には所得収支の黒字を上回り経常収支の赤字に発展するリスクシナリオが語られる。予算の半分を借金で賄い、国内総生産の2倍にも達する債務を抱える日本は、大きな岐路に立たされた。[掲載]週刊エコノミスト(2012年2月21日号、4900字)
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