◇3人目で変化
◇『虐待』の夜
◇妻のプチ家出
◇言葉の遅れ
◇「家内安泰」が最優先
◇がんばり表
◇情緒タンク
◇何でも3倍
◇ひーちゃん入学の春
◇「風邪リレー」で大泣き
◇7年目にして初の…
◇不在中に妻ブチ切れ
◇真の原因は「嵐の1カ月」
◇ウンコ事件
◇姉と弟の谷間で
◇続・言葉の遅れ
◇子どもと遊ぶ努力と忍耐
◇44日間の奮闘
◇いじけ虫大量発生
◇これでいいのだ!
◇会社以外の評価軸
◇〈終わりに〉妻からの講評
この数年、私の朝は長女ひーちゃん(5)、長男ゆー君(3)、次男よっしー(2)を幼稚園に送ることから始まる。子どもの足でも約15分。途中、島原鉄道の踏切が鳴ると大変だ。電車大好きよっしーは島鉄を見るまで動かない。ゆー君は2両か1両かに関心がある。2両だとボソッと「つながってた」。
そんな私の姿を見る人は私を家族思いだと思うのかもしれない。でも、少なくとも、よっしーが生まれるまでは違っていた。
私は記者の仕事が大好きだ。01年に島原に赴任した当時は夫婦だけだったので、バリバリ仕事をこなしていた。ひーちゃんが生まれても、ゆー君が生まれても妻のんち(32)一人で何とかなったので仕事に没頭していた。
予定より早くよっしーを与えられてから気づいた。「1人の親が見られるのは2人が限界。手も目も二つしかないねんから」
私たち夫婦は共に関西出身で実家は当てにできない。なので妻を助けられるのは私だけだ。本格的に子育てするようになったのは、それからだ。
仕事に割ける時間は確実に減った。私が長期出張している時に限ってトラブルがあったので、2泊以上の出張は自粛。妻一人だと目が行き届かないし、子ども3人を見る大変さが集中するからだ。「災害記者」を目指しているのに、新潟県中越沖地震の時などに現場に行けないのが一番つらい。体にタイヤを3本くくって走っているような毎日だ(それが父親だ)。
プロ野球・日本ハムのヒルマン監督の選択には励まされた。子どもの環境を考え日本一の球団から米大リーグ最下位の球団で監督をする道を選んだ彼もクリスチャン。「父親の責務を全うしたい」なんて見習いたい。
よっしー、ありがとう。君のために失ったものは大きいけど、それ以上にやりがいが(きっと)ある仕事に目覚めたよ。実家も遠くでよかった。育児に参加するようになったし、夫婦の絆(きずな)も強くなった。いえ、強がりじゃないです(笑)。(2007年10月24日)
「子どもを虐待死」なんてニュースが珍しくなくなってしまった昨今。でも、わが家だって潜在的な可能性はあったのです。
1年と少し前。当時1歳だった次男よっしーの夜泣きが始まった。夜泣きは大泣きになり、絶叫になった。どんなにあやしても母乳をやっても、泣きやまない。
ブチ切れた妻のんち(32)は居間に行き、よっしーを両足で挟み、口をタオルで押さえる。必死にもがくよっしー。身動きどころか息もできない。
続いて起きた私が「やめんか!」と言ってよっしーを取り上げようとしたが、妻は抵抗し、手放そうとしない。理性を失っていた。・・・
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新聞記者の私は34歳。妻と2男1女の5人家族で、長崎県島原市にある職住合体の毎日新聞島原支局で暮らしている。昔、大きな噴火災害があった島原で災害記者としての研鑽を積み、東京本社にキャリアアップする人生設計を描いていた。でも、ある時ちょっと立ち止まった。都会で仕事一筋になり、妻に3人を押し付けて大丈夫なのか? お前さん(奥さんも)、クリスチャンだろう? 仕事より家族を優先すべきじゃない? 良心に背中を押されて取り組んだ父親業。でも道のりは決して平坦ではなく……[掲載]毎日新聞(2007年10月17日〜12月12日、2008年4月16日〜10月1日、18100字)
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