米国は在沖海兵隊のグアム移転を先行し、米軍普天間飛行場の辺野古移設が頓挫しても支障のない戦略にシフトした。日本側は引き続き血税を投入し、米国が実質的に見限った辺野古移設の実行責任を負う。財政危機が叫ばれる日本で、なぜこんな不合理が通用するのか。
米国の戦略転換は米議会の軍事費削減圧力が作用しているが、日本では「政治」が機能していない。対米従属一辺倒の官僚主導の交渉、「米国につき従い、経済さえ順調であればいい」という主要メディアの不変の世界観が普天間返還のハードルを上げている。
対談シリーズ「国策を問う」〜沖縄と福島の40年〜は、3人目のゲストとして慶応大の小熊英二教授(歴史社会学)に登場してもらう。「安保と原発」という利権構造の「最後の聖域」が瓦解(がかい)していく過程を見据え、転機の回路を探る。(特別報道チーム・渡辺豪)
―小熊さんは昨年5月の鼎談(ていだん)で、3・11後の東京のメディアや論壇人の印象として「『がんばれ日本』とか『転換期』とかいう話をしているのだけれども、結局のところ自分の利害構造で、自分のところから話しているだけにしか見えない」と発言されています。普天間問題でも「自分の利害関係」の枠内での言説が中央で目立ちますので、なるほど、と受け止めました。今回の震災や原発事故で日本は変わった、と思われますか。
小熊 震災や原発事故で変わったのは、現実の変化以上に、以前から進行していた事態が注目される契機になったという意識の変化だと思います。
その一つは地方の疲弊です。日本経済の構造的変化で、格差が生じてきた問題は2000年代半ばごろから人々の意識に上るようになりましたが、都会の問題が中心だった。多くの意識変化は、まず中央の問題が意識され、次第に周辺が目に入ってくるという経過をたどります。例えば・・・
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対談シリーズ「国策を問う」〜沖縄と福島の40年〜は、3人目のゲストとして慶応大の小熊英二教授(歴史社会学)に登場してもらう。「安保と原発」という利権構造の「最後の聖域」が瓦解(がかい)していく過程を見据え、転機の回路を探る。[掲載]沖縄タイムス(2012年2月10日、11600字)
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