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特集 (4)リーダーが演出でよかったと思う。とがっているから!

2016年8月31日更新
写真:橋本さとし=岩村美佳撮影 橋本さとし=岩村美佳撮影

――こうしてお話をうかがっていると、最初に思い描いていた作品へのイメージを超えたところまで連れて行ってもらえそうな気がしてきました。

河原:日本版は、歌や物語がより一層の深みが帯びて、さらにはただの兄弟愛では終わらない作品になると思います。行き着く先に何が残るか、僕もわからないけれど、そういうことを考えると、これはウォーミングアップじゃすまないなとなったわけです(笑)。

橋本:そこはリーダーが演出するからこそだと思う。一見すると美しい兄弟愛が描かれた作品なので、兄弟っていいな、それでも終われる作品なんですよ。でも、その先にもっともっといろいろあるというところを探らせてくれるリーダーが演出でよかったと思う。リーダーとがっているから!

河原:韓国版は兄弟愛が大きな感動につながる、いい意味でわかりやすく美しい作品になっています。確かにそちらに振りきった分の魅力、威力はあるんですよ。でも、日本でやるに際し、どこにオリジナリティーを持たせるかと考えたとき、もっと生々しいごつごつした実際の兄弟の関係に踏み込めば、そこに何かを見いだせると思ったんです。役者さんもスタッフもそこに真っ向から取り組むことはすごく大変なんですけどね。

橋本:大変大変。リーダーが求めるものが、僕らが最初に心に用意していたのとは別次元のところにハードルを置かれているようで、本当に大変ですよ。でも、正直言うとまだその大変さに気づく余裕すらないとも言えるんです。今はとにかく入れ込む、自分なりのヴィンセントと向き合うという自分の中の作業でオーバーヒートしている状態。それを超えたときに、ようやく次はリーダーが置いたハードルを超えなければいけない状況が待っていて、そこでは今とは違う苦しみが待っている予感がしています。

――苦しみの先にまた新たな苦しみですか!

橋本:でもね、なんか逆にこの苦しみも、のど元過ぎれば何とやらというか(笑)。苦しみ抜いた先には、なにか快感のようなものが待っているような気がしているんですよ。

河原:僕、そう思いましたよ。昨日稽古を見ていて、大変だけど、きちんと一本筋が通ってしまえば、演じている側も見る側も大きな達成感、満足感を味わえるなって。

 このまま稽古を重ねて無事に初日を迎えられたら、相当いい作品になるだろうし、その意味でキャストもスタッフもすごくやりがいを感じられる作品だと思う。ゴッホをテーマにした映画やお芝居はたくさんあるけれど、それらと比較してもかなりいいものになると思う。そこで感じるのはミュージカルの力、ミュージカルってエンターテインメントとしてものすごい威力がありますからね。だから、そこに到達するまでには苦しみもしょうがないということで(笑)。

橋本:しょうがないね(笑)。

――ちなみに、河原さんは役者さんでもありますが、この作品に俳優として参加したいと思われますか。

橋本:それ気になる!

河原:うーん、はっきりしていることはヴィンセントは絶対やりたくないってこと。さとしさんたちを見ていて、いったいどんなのどをしているんだって思いますよ。

橋本:そこはね。2人ミュージカルなので必然的に歌う分量は多いんです。それもものすごい感情の起伏だから、それに合わせてものすごい歌で。もう、毎回、のどがヘロヘロですよ。そこも大変。

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