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特集 (6)スタジオライフの女優ってすごいよねと思われなければ

2016年9月5日更新
写真:左から、青木隆敏、石飛幸治、久保優二=岩村美佳撮影 左から、青木隆敏、石飛幸治、久保優二=岩村美佳撮影

――あうんの呼吸のみなさんによるお芝居がとても楽しみです。では最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

倉田:あの時代にもしワイドショーがあったら、ものすごく取り上げられた事件だと思います。みんなが興味を持てる話で、遺産や親殺しなど、今の世の中に通じる問題提起がいっぱいある。その状況としての問題提起がありつつ、人間の業や、レゾンデートルにたどり着いていくと思います。そこに深く向いている作家の目があるので、それをぜひ私たちが立ち上げる3次元で楽しんでいただけたらと思います。

青木:この役をやってくださいという話を聞く数日前に、ちょうど上演していた「8月の家族たち」を見たんです。それがとてもよくて、久しぶりに同じ舞台を2回見に行きました。主役の麻実れいさんがとてもカッコよくて、ひき込まれたんです。

 先ほど、女役を演じるには感情が一番大切だという話がありましたけど、それはもちろん大切にしたうえで、所作をよりきちんと女らしく見せて、スタジオライフの女優ってすごいよねと思われなければという気負いが僕にはあるんです。今まで女役をやっていた方たちが抜けていくなかで、残った女優のひとりとして。スタジオライフは、(男性の)女優がいるところがおもしろいところでもあるので。でも、自分の女役は、型としてたどり着いてしまったところがあるような気もしていたんです。でも、その麻実れいさんを見た時に、「あっ、その先にあるのがこういう演じ方なんだ」と思って。複雑な役でも、脱ぎさってるというか。でも女優としてのたたずまいもある。

 自分のやりたい演じ方の、分からなかったその先があると思った矢先に、この話をもらったので。だから、今までの型でやるのではなくて、脱いでやってみたいなと。結果的に「いつもの青木君だね」っていわれたら、おしまいなんですけど(笑)。自分の中のアプローチとして、自分を脱いで、どうしようもない血のつながりでこんがらがっていたリッヅィーとつながれたら。自分の中でテーマを持ってやっているので、それがうまく作用して、みんなのキャラクターと交われたらいいなと思っています。

久保:石飛さんもいっていましたが、台本を最初読んだ後に、あ、自分もやってると思ったんですよ。台本を読んだだけで、今まで無視してたことに気づくことができたんです。だから、絶対に見た後に自分のことや自分の周りのことを自然と考えられる作品だと思っています。それと今までスタジオライフで学んできたことは絶対に間違いじゃないし、信じているんですけど、ただ今までの自分では足りないことが圧倒的に多いと感じているので、全部1回リニューアルするつもりで挑みたいと思っています。久保優二新装開店!という感じで。

石飛:今回は久しぶりのThe Other Life公演なんですね。今まで、The Other Lifeで自分が関わってきた作品は、自分の中にいろんな発見があって、それをお客様と共有できたので、今回もそういう経験ができればいいなと思っています。今までスタジオライフを知らなかったお客様や、知っているけれど見たことがないという方にも、毛嫌いせずにぜひ見ていただきたいと思います。

<インタビューを終えて>
 この日のインタビューは、稽古が終了した21時からスタート。朝10時から仕込みで稽古場入りしていたとのことで、さぞやお疲れかと思いましたが、石飛さんの「いつもはもっと遅いので、全然大丈夫です!」とのお言葉に甘えて1時間超のロングインタビューとなりました。

 石飛さん、青木さん、久保さんは、全員女性役がお得意で「衣装部」在籍と共通点が多く、撮影中の息もぴったり。「衣装部のメンバーで話していると、ほかの部の人から『みんながバラバラなことを話していて、何を話しているのかわからない』とよくいわれるんですよね。でも、僕たちの間では会話が成り立っているんです」とは、石飛さんの弁。その抜群のチームワークと、役者に安易に答えを渡さずゴールへと導く倉田演出により、この複雑でスリリングな心理劇がどう立体化されるのか大いに期待しましょう。

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◆The Other Life Vol.9「BLOOD RELATIONS ~血のつながり~」
《東京公演》2016年9月15日(木)~10月2日(日) 新宿シアターモリエール
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.studio-life.com/stage/blood-relations2016/

《筆者プロフィール》岩橋朝美 フリーエディター、フリーライター。WEBおよび出版を中心に、企画、編集、取材、執筆を行う。