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特集 (4)伝統が受け継がれていることにホッとして感動する

2016年9月16日更新
写真:左から、紺野まひる、壮一帆、一路真輝=岩村美佳撮影 左から、紺野まひる、壮一帆、一路真輝=岩村美佳撮影

――お三方は宝塚時代に同じ雪組にいらしたという共通点がありますが、よく「芝居の雪組」などとも言われますよね。

一路:私はやめてからもう20年経っているし、5組にもなったから、換わったのかなと思っていたんです。だから、伝統が脈々と受け継がれていることにホッとして感動します。私もだし、みんな芝居が好きな人が多かったんですよね。お芝居が好きなトップさんも多かったですし。

壮:私は宝塚時代に組替えを経験しているので、客観的に組の空気の違いを感じる機会があったんです。やっぱり雪組って独特の空気感があるんですよね。で、これは何なんだろう?と思って劇団内部の人に聞いたら、ターコさん(麻実れい)の時代からだと言われました。

一路・紺野:えーー!

壮:何だろうなあ。スーツ物というよりは、もうちょっとどっしりとしているものが似合うというか。私が花組に戻った後、水(夏希)さんのトップ時代はスーツ物も多かったのですが、2回目に私が雪組に行ったときもその空気感はやっぱり変わっていなかったんです。やっぱり、変わることのない空気感が根底にあるんだなと。

一路:麻実さん以降だっていうのはよくわかるな。

壮・紺野:ああー。

一路:私は、麻実さんのことは神のように崇拝していて、麻実さんのようになりたいと思ってずーっとがんばっていたから。それは杜けあきさんなど私の上の方もみんなそうだと思う。麻実さんは大きいから立っていらっしゃるだけでドーンとできたけれど、私たちがそれをまねしたいと思っても、身の丈がないからできなくて。それで、真ん中で動かない感じの役作りをしていたような気がする。花組さんは、トップさんがわりと動くんだよね。

壮:もう、アピールするのが当たり前なんです。だから、客席の温度も花組と雪組では違うんですよ。

一路・紺野:えーー!! そうなの?

壮:花組のお客さまは「今日は誰が私を見てくれるのかしら?」と、すごく前のめりで来てくださる気がするのですが、雪組のお客さまは「見せていただいています」という感じで。それを私、組替えの初日の舞台で感じました。

一路:私はずっと雪組だったから、そういうのがわからないんだよね。

紺野:私も、短いですがずっと雪組だったのでわからないです。

一路:だから、すごく新鮮。

――客席側の立場からしても、それはわかる気がします。

壮:そうですか!

――私、子どもの頃初めて見たのが雪組さんだったりして、実は雪組には思い入れがあるんですよ。やっぱり何か、あまりアピられたくないといいますか……。

壮:アピられたくない(笑)。どうしたらいいか、わからなくなっちゃうんですか?

――うーん、何というか……。

一路:スッとしていて欲しい?

――そうですね。

壮:なるほど!

一路:これはもう好みだからね。だから、5組あって、それぞれ個性的な組になっていくのは、いいことだよね。

――「雪組はお芝居が好きな人が多い」というのもよく聞きますが、具体的にそれはどういうところに表れるものですか?

一路:役の掘り下げ方かな? 「今回はこういう役だからこうした方がいい」という話し合いが多かったんじゃないかな。

紺野:多いですね。私もそれは思いました。上級生に手取り足取り教えていただきましたから。

壮:組替えして一作目で大立ち回りがあったのですが、殺陣を付けられた瞬間から、その役として動いてらっしゃるのに驚いたことがあります。立ち回り一つの中にも自分でエピソードを盛り込んで役作りをされるんです。たとえば、自分はドンくさい役だから「剣で刺しました。あれ? 抜けない~」みたいな感じにしてみよう、とか。「何だこの組は?」と、そこでまずびっくりしました。

一路:あははは~!

壮:すごい芝居力を感じました。

一路:私は雪組にしかいなかったから、それが当たり前だと思っていたけど。でも、確かに他組から来た人が新人公演で私の役をやったときに「雪組さんってこんなに教えてくれるんですね」と言われたことがある。何だか小じゅうとみたいに、いろんなことを言っていたような気がします。それが今、良かったか悪かったかはわからない。うるさいなーと思われていたかもしれないし(笑)……。だんだんいろいろと思い出してきた!

壮:あははは~!

紺野:私も一つ思い出しました! 「エリザベート」の東京公演の時、組替えのため和央ようかさんが東京公演からルドルフをやることになったじゃないですか。

一路:ああ~! うんうん。

紺野:それで、ルドルフが死んでトート(一路)と2人でセリ下がっていった後、いつもタカコさん(和央)が一路さんにいろんな話を聞いて、「はい」「はい」って……。あれはすごく印象的でした!

壮:おおおお!

一路:セリ下がった後に、話してたの?

紺野:はい。ほとんど毎日のようにお話しされてました。

壮:すごーい!

紺野:今思い出しても鳥肌が立ちます。私たちはそんなに近付けないから遠くから見ていたのですが、いつも何か話しながら行かれていました。それが必ず役についてのアドバイスで、決してどうでもいい話ではなくて。

壮:すごい! すごーい!!

一路:あんまり覚えてないけど……いい人やわ~(笑)。

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