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特集 (2)ユーモラスで人間臭い、個性的な十勇士たち

2016年9月21日更新
写真:「真田十勇士」公演から=阿部章仁撮影 「真田十勇士」公演から=阿部章仁撮影

 ハッタリばかりのお調子者・根津甚八と御曹司・豊臣秀頼の2役を村井良大が演じる。対照的なこの2役の演じ分けも見どころだ。じつはこの2役を同一人物が演じるのも、単なるギャラ節約のためではなかったのだった。

 この他の十勇士たちも個性的な面々だ。完璧な強者は誰一人としておらず、誰しもダメなところ、抜けたところを持っている。そこがユーモラスで人間臭い。それが最後には皆、正真正銘まことの十勇士となっていく。これもまた「ウソから出たまこと」なのだろう。

 十勇士たちに対峙(たいじ)する、徳川方の忍び軍団を、首領・九々津壮介役の山口馬木也が締める。その娘・火垂を演じるのが、グループ卒業後舞台初挑戦の篠田麻里子だ。主要キャストの中では紅一点、敵味方に分かれながらも霧隠才蔵への思いを捨てきれない、いじらしい乙女心を見せる。小顔とスタイルの良さで忍び装束がよく似合っていた。

 そして、この物語のキーパーソンともいえる淀殿役の浅野ゆう子が重厚な存在感を醸し出す。この他、歌舞伎界での勘九郎の先輩にあたる中村橋之助がナレーションでエールを贈り、映画でも徳川家康役を演じている松平健が映像だけで登場する。映像だけの登場なのにラスボス感満載だ。

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