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特集 (3)何がまことで何がウソ? 間違いなくまことなのは……

2016年9月21日更新
写真:「真田十勇士」公演から=阿部章仁撮影 「真田十勇士」公演から=阿部章仁撮影

 この作品、演出そのものが虚と実の駆け引きのようだ。幕開きから、出演者たちが客席通路を駆け回る姿に圧倒される。ワイヤアクションでの登場も多数、まさに「縦横無尽」だ。いっぽうで全編を通じてプロジェクションマッピングが駆使され、幸村が潜む九度山の風景や、そびえ立つ大坂城の天守閣、合戦場の様子など、映像ならではのスケールで迫ってくる。

 しかし最後には、十勇士たちの壮絶な闘いぶりから、舞台ならではのリアルの力をまざまざと見せつけられるのだ。殺陣のシーンでの若手アンサンブルメンバーの活躍も見逃せない。うち女性も3人いる。

 何がまことで何がウソなのか? 最後にはわけがわからなくなってしまうのだが、その中で間違いなくまことなのは、月並みかもしれないけれど、やっぱり「愛する気持ち」なんだなあと思い知らされる。

 宝塚ばりのちょっとしたフィナーレが付いているのも楽しい。淀殿が持っている扇子もなぜか羽根扇である。3時間を超える長丁場だが、あっという間だ。あまりにのめり込みすぎて、これが本番ではなく稽古だということを私自身が忘れてしまっていたのだった。

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◆舞台「真田十勇士」
《東京公演》2016年9月11日(日)~10月3日(月) 新国立劇場 中劇場
《横浜公演》2016年10月8日(土)~10日(月・祝) KAAT神奈川芸術劇場
《関西公演》2016年10月14日(金)~23日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://sanadajuyushi.jp/

《筆者プロフィール》中本千晶 フリージャーナリスト。宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で鋭く分析し続けている。主な著作に『宝塚読本』(文春文庫)、『なぜ宝塚歌劇に客は押し寄せるのか』(小学館新書)、『タカラヅカ流世界史』『タカラヅカ流日本史』(東京堂出版)など。2015年10月に『宝塚歌劇は「愛」をどう描いてきたか』(東京堂出版)を出版。NHK文化センター講師、早稲田大学非常勤講師。