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特集 (3)いろんなジャンルの曲、磨けば磨くほど輝く音楽です

2016年9月23日更新
写真:藤岡正明=岩田えり撮影 藤岡正明=岩田えり撮影

――作品全体の楽曲についてはどう思っていますか?

 とても難しいです。けれども、音楽として難しいというよりは、すごくデリケートなところが難しいと思っています。そこをそつなく歌うことはきっとできると思いますが、そのデリケートな部分をどういうふうにブラッシュアップしていくかで、劇的に変わるぐらい綿密に作られた音楽です。譜面を見るとわかるのですが、本当に細かく、拍が変わっているところがあるんです。かといって、ナンバーによってはポップミュージックも入っていたり、いろんなジャンルの曲が入っていたりして、磨けば磨くほど輝く音楽です。そして、すごく親しみがわくんじゃないかと思うのは、アジアンテイストの音楽理論がちりばめられていて、そのフレーズの質感が、ベトナムに行ったような錯覚がおこるぐらい入り込める何かがあったり、またすごく懐かしく感じたりすると思います。

――それを歌うというのはいかがですか?

 この作品は意図的に作曲家がキーを高く設定して作っているんです。高くすることで役者はきっと苦しくなりますよね。でも、楽に歌っていたらこの物語のメッセージは伝わらないだろうなと思います。でも、あえてもっと高くしようかなと思っています。

――え!?

 高いところをさらに上げて歌ってみようかなと。つまり、エネルギーに対してより高いエネルギー感をそこに持ち込みたいと思っています。もちろん芝居との兼ね合いがありますし、芝居をやりながら作っていきますが、音楽や芝居に合わせるよりも、うまくリンクできるようにするためのエネルギーを、普段考えているより何倍も多く持ち込んでみたいと。セリフがほとんどないミュージカルなので、そこに整合性を求めていると、冷静でなければいけないと思い、どうしてもエネルギー量が下がっていく気がするんです。

 音楽と感情と芝居を成立させたうえでさらにできることは、爆発して化学反応を起こすことしかないと思っています。その化学反応を期待するならば、自分はエネルギー量をすごく高く持って、いろんなパッションを持って挑まなければ、ヒントが見つけられないような気がします。いろんな可能性を持ちながら、小さくまとまらずに、取り組んでみたいと思っています。

―― ロングランされ続けている作品でも、まだまだそんなチャレンジができるんですね。

 だからこそかなと思います。ロングランされている作品というのは、ファンの方に本当に愛されていて、なおかつそこに参加される俳優もとても愛されているし、またそこからスターが生まれていくこともあると思います。でも、そこにこれまでと同じものを持ち込むことほどつまらないものはないと思っています。絶対に意味があると思ったことは、これまでを尊重して紡ぐべきですが、新たに意味があると思うことには挑戦してしかるべきだと思います。そこにロングランの可能性があるような気がするんです。

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