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特集 (3)最後の一言は「常識的な世間」に向けた魂の叫び

2016年9月28日更新
写真:「BLOOD RELATIONS ~血のつながり~」公演から〈Doomチーム〉=劇団スタジオライフ提供 「BLOOD RELATIONS ~血のつながり~」公演から〈Doomチーム〉=劇団スタジオライフ提供

 ほかにも、リッヅィーを愛しながらも争いから逃げたい大村エンマ、リッヅィーを理解しながらも現状を変えることを諦めている楢原エンマの違いなど、Wキャストの妙が随所に感じられる本作。また、リッヅィーに「牛」と陰口をたたかれる継母アビゲイルを、体重を増やし、ふてぶてしく演じた石飛の怪演も忘れがたい。

 リッヅィー、「女優」、エンマ、アビゲイルら、それぞれの方法で男性社会をサバイブしようとした女たちを、男性俳優のみで演じるとはなんとも皮肉の効いた作品。しかし、最後に観客に向かってリッヅィーが放つ一言は、男性・女性関係なく、異質なものとしてはじかれた人間の「常識的な世間」に向けた魂の叫びとして胸に迫る。事件から100年以上が経った今、社会は、人は、自分は変わっているのか。立ち止まって考えさせられる作品だ。

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◆The Other Life Vol.9「BLOOD RELATIONS ~血のつながり~」
《東京公演》2016年9月15日(木)~10月2日(日) 新宿シアターモリエール
⇒内容については公式ホームページなどでご確認下さい。
http://www.studio-life.com/stage/blood-relations2016/

《筆者プロフィール》岩橋朝美 フリーエディター、フリーライター。WEBおよび出版を中心に、企画、編集、取材、執筆を行う。